愛宕神社 東京都多摩市愛宕町  
現在の祭神 軻遇突智命
本地 勝軍地蔵

「新編武蔵風土記稿」巻之九十八
(多磨郡之十)

上和田村

愛宕社

除地、三段、 村の南字愛宕山にあり、 わづかばかりの祠なり、 当社は伊野十左衛門が建立する所なりといへり、 この十左衛門と云は村民新蔵が先祖にて、天文年中この地の検地ありしとき、その事にあづかりしよしなれば、古き勧請なることはおして知らる、 始は村民の持なりしにや、寛永十年より高蔵院の持となれりと云、

地蔵堂

年貢地、一畝許、 字池田にあり、 土人の話に、この堂古は村の南方愛宕山にありしを、寛永十年こゝに移せりと、 よりて按に愛宕の本地は将軍地蔵なるに、この堂昔愛宕山にありしといへば、恐くかの社の神体として、安置せしならんか、 ことに今もかの愛宕社及び当所みな高蔵院の持なるも、おのづからいはれなきにもあらず、 堂は三間四方なり、 地蔵は立身にて長二尺五寸許なり