愛宕神社 埼玉県久喜市北中曽根  
現在の祭神 迦具土命
本地 勝軍地蔵

「埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉」

愛宕神社

  久喜市北中曽根1024(北中曽根字川妻)

歴史

 『風土記稿』中曽根村の項に「久伊豆社 村の鎮守なり、○諏訪社○愛宕社○金山社 四社ともに観音院持、○弁天大黒八幡合社 清鏡寺持」とあるように、近世以来、北中曽根では、鎮守として久伊豆神社を祀る一方で、村組ごとに神社を祀ってきた。 当社もまた、そうした村組で祀る神社の一つであり、創建以来、川妻地区の人々の崇敬を受けてきた。 神仏分離が行なわれるまで当社を含む四社の祭祀を行っていた観音院は、当社の1.5キロメートル東にある真言宗の寺院で、その草創は戦国期のことであるという。 当社の本殿の妻側の屋根に卍の紋が付いているのは、こうした神仏混淆の時代の名残である。
 『明細帳』による当社の祭神は迦具土命であるが、こうした神仏混淆の影響により、内陣にはその本地仏である勝軍地蔵の木像が安置されている。 この像は、全高52センチメートルと比較的大きく、破損も少ないが、無銘であるため、正確な製作年代や奉納者等を知ることができないのが残念である。