別府神社 東京都日野市万願寺3丁目 旧・村社
現在の祭神 別府神
本地 不動明王

「新編武蔵風土記稿」巻之九十九
(多磨郡之十一)

宮村

別符権現社

除地、二段余、 村の中程にあり、 三間に一間半の社にて、前に鳥居一基を立、 村の鎮守なり、 神体は不動の木像、長一尺許なるを安す、 相伝ふ大同元年の勧請なりと、 もとよりたしかなる証蹟もなく、又大同の勧請と云へるは、諸社ともに妄説多ければ信じがたし、 又伝に当社古は村民岩沢藤左衛門が宅地の鎮守なりしが、貞享元年藤左衛門が新属本阿弥某嗣子なきを以て、農業をすてゝその家をつぎし時、宅地をそのまゝ社領に附して真福寺へ属したりと、 是によらば大同中の勧請と云こと、いよいよ信ずるに足らざれど、 高麗豊後守・同越前守等の子孫、永禄年中此辺のこと書し略図に、当村と覚しき処に、別府宮と記しあれば、古き社なることは論なかるべし、 例祭毎年九月十九日、神酒を供して祭る