総社 岡山県総社市総社2丁目 備中国総社
旧・県社
現在の祭神 大名持命・須世理姫命
[配祀] 高皇産霊神・神皇産霊神・魂留産霊神・生産霊神・足産霊神・大宮能売神・御膳神・事代主神
[配祀] 備中国内三百四神社
本地 薬師如来

「備中誌」(加陽郡 巻之十二)

惣社大明神[LINK]

惣社大明神
祭礼九月戍亥の日ハ吉備津社を移して後の例也(鬼ノ城吉備津祭礼ノ日ナリ)。 本社三間ニ四間。 其外、幣殿、拝殿、末社 大神宮、祇園宮、弁才天。
秀雄按、祇園宮弁才天ハ仏也。 是神宮寺別当たる事明白なり。
天神、沼田社、恵美須、荒神、隨神門、廻廊等有境内。 二町六反除地。 別当神宮寺、本地堂、御供所并石鳥居等有。
秀雄曰、今ハ別当を社僧とす。 然れ共、神宮寺ハ御社境内、隨神門の内ニ有。 池上大宮司ハ隨神門の外に有是。 古ハ社を専らにせししるし也。 元禄八年郡奉行へ出せし願書に神宮寺を一番に書、次ニ大宮司池上越前、同河内親但馬と記したり。 社僧に非るの証明なり。 又社内に本地堂有。 是又社僧に非るのしるしか。 今の大宮司ハ、天正中新山大宮司が絶せし跡を継しを、神人等今偽りて神宮寺を社僧とす。 抑神宮寺ハ新山を下りて以来の事なり。 且宮社に寺院を置事ハ、聖武天皇の勅免、桓武帝の御條にも載る如し。 神人の偽り信すべからず。 又ハ神の木像を安置す。
八田部郡の内に国府と云地有。 是ハ彼所にもいひしごとく、古しへ備中守に任じ此地に下向し国中の政事を聴し時、此所に国中安全五穀成就の為に祈祷せし旧地なり。 備中国内の神社神社三百二十四社を惣へ合して祭る故に惣社とハいへり。 此時肇て一国に惣社、一郡に惣堂を祭り、各本地を薬師とす。
[中略]
惣社山神宮寺恵光院 惣社宮別当。 本尊大日如来。 古しへ天台宗、今古義真言宗。 開山年歴不詳、蓋新山より下山の寺院成へし。 境内一反五畝三歩。 寺内に毘沙門の古作有。 境内惣社宮の社内に在て、別当なる事知るべし。 今は神人の為に社僧と成たり。 貞享四年水谷殿への願書にも別当と書たり。
惣社山正法寺旧跡 社僧也。
開山年歴不詳、代々相続シテ天正ニ至リ滅亡ス。 今其跡正法寺畑とて、惣社北の鳥居の前に畑有て、古墳等残レリ。
惣社山実相坊旧跡 社僧也。
正法寺、実相坊、各惣社宮社僧也。 今廃寺と成、其年歴不詳。 或云、今の法満寺、実相坊の跡を継て寺号を改めたりといふ。 其実説不詳。