近戸神社 群馬県前橋市粕川町月田 旧・村社
現在の祭神 大己貴命・豊城入彦命
[配祀] 大物主命・誉田別命(応神天皇)・伊弉諾尊・伊弉冊尊・少彦名命・大山咋命・素盞嗚尊・大山祇命・大日孁尊・火産霊命・宇賀魂命・菅原道真・保食命
本地 虚空蔵菩薩

尾崎喜左雄「上野国の信仰と文化」

赤城神社の研究

小沼系統の神社 付 赤城塔

 月田の近戸神社では、その奥殿に高さ一尺程の木彫仏像一躯を蔵している。 その像形より虚空蔵菩薩であることがわかるが、尚江戸時代の修理の際の京都の仏師の修理料受領証が松村龍顕氏家に蔵されていて、それには明に虚空蔵菩薩と記してある。 いつ頃の作であるかは明確ではないが、江戸時代始頃と推定している。 この虚空蔵像は月田の近戸神社の本地仏であること、又、右の修理料受領証にみえている。 小沼の本地仏が虚空蔵であることは前述の通りであり、今又、月田の近戸神社の本地仏も同仏であることは、二者の間に信仰上の一致を認められ得るのであり、即ち、粕川によりその水源の小沼と同一の神を、川下の神社において祀ったものと推定できる。