千勝社 埼玉県久喜市上早見 旧・村社
現在の祭神 大己貴命
[合祀] 木花佐久夜姫命 <浅間社>・天神七柱神・地神五柱神 <十二社>・天照皇大神 <神明社>・菅原道真 <天神社>・市杵島姫命 <厳島社>・宇迦之御魂命 <稲荷社>
本地 虚空蔵菩薩

「埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉」

千勝神社

  久喜市上早見583(上早見字新田)

歴史

 当社は上早見村の字新田に鎮座する。 『風土記稿』上早見村の項に「千勝社 歓喜院の持」と載り、歓喜院については「真義真言宗、久喜町光明寺の末、無量山と号す、本尊不動」とある。 本寺である光明寺は白鳳十年(681)に行基が開基し、建長四年(1252)に法印賢信が中興開山したと伝わる古刹であり、境内に久喜町の鎮守である千勝社を祀っていた。 恐らくは、新田開発が進められる中で、歓喜院の住職が本寺に祀る千勝社を当地に勧請したのであろう。 その年代については定かでないが、久喜町の千勝神社が永正十四年(1517)に足利政氏により勧請されたと伝えられることから、これ以降のことと思われる。
 本殿には、明和七年(1770)に神祇管領吉田家から「千勝大明神幣帛」を拝受した際の祝詞が保管されている。
 当社は、明治に入り歓喜院の管理下を離れ、明治六年に村社となった。 現在、歓喜院の本堂内には本尊と並んで高さ26センチメートルほどの木製虚空蔵菩薩立像が祀られている。 これは、江戸期に当社に祀られていたが、明治初年の神仏分離により歓喜院に移されたものと伝えられる。