古尾谷八幡神社 埼玉県川越市古谷本郷 旧・県社
現在の祭神 品陀和気命(応神天皇)・息長帯姫命(神功皇后)・比売神
本地
中御前阿弥陀如来
若宮十一面観音
東御前大勢至菩薩

「新編武蔵風土記稿」巻之百六十七
(入間郡之十二)

古谷本郷

八幡社

天正十九年社領五十石ノ御朱印を別当灌頂院に蔵せり、 古尾谷庄に属せる本郷上村・久下戸・今泉・木野目・並木・大中居・小中居・高嶋・八ツ嶋・大久保・古市場・渋井十三村の惣鎮守なり、 拝殿幣殿内陣皆銅瓦をもて作れり、 神体は坐像束帯にして笏を持せり、 本地仏は銕盤内に三尊の弥陀を鋳出せり、其さまいと古色なり、 当社は元暦元年源頼朝勧請し玉へるよし、
[中略]
末社 弁天社 天満宮社 天照太神宮 春日 住吉 加茂 熊野 諏訪 鹿島 愛宕 稲荷 弁天 富士 第六天 天満宮 氷川 三島 伊豆権現 箱根 山王 若宮 摩多羅神 荒脛明神二十一社合殿(其外東照宮をも御合殿として中に安じ奉) 太神宮 山王社 三峯社 元宮八幡宮
社家押田多門
別当灌頂院 天台宗、上野国世良田長楽寺の末 宝聚山東漸寺と号す

川越市立博物館「博物館だより」第31号[PDF]

埼玉県指定文化財 銅造阿弥陀三尊懸仏

 古尾谷八幡神社は、元暦元年(1184)源頼朝が石清水八幡宮を勧請したものと伝えられています。
 この懸仏は、古尾谷八幡神社の御神体として伝わるもので、本社である石清水八幡宮の本地仏を踏襲し、鏡板中央に阿弥陀如来(中御前)、左脇侍に十一面観世音菩薩(若宮)、右脇侍に勢至菩薩(東御前)を配していると考えられます。
 鏡板、三尊とも堅実で優美な仕上がりを示しており、銘文等がないのが残念ですが、その作風から鎌倉時代後期の作と推定される、県内を代表する大型懸仏です。