二荒山神社 栃木県宇都宮市馬場通り1丁目 式内論社(下野国河内郡 二荒山神社〈名神大〉)
下野国一宮
旧・国幣中社
現在の祭神
二荒山神社豊城入彦命
末社・女体宮三穂津姫命
本地
男体馬頭観音
女体阿弥陀如来

「神道集」巻第五

宇都宮大明神事

そもそもこの明神は諏訪の大明神には御舎兄なり。 この明神には男体・女体御在す。 先づ俗体とは、本地は馬頭観音なり。 この仏は一面三目六臂なり。 頂上に白馬あり、 忿怒の形なり。
[中略]
次に女体は本地は阿弥陀なり。 この仏はこれ十仏名経に、若人称名者、衆魔及波旬、行住坐臥処、不能得其便云へり。
[中略]
橋本七所大明神は御守なり。 高尾神は大明神の一二の王子なり。 この明神は千犬・千烏・千狐を以て眷属としたまへり。

「前長門守時朝入京田舍打聞集」

宇都宮大明神、御本地馬頭観音、等身泥仏につくりまいらせて、彼神宮寺に安置したてまつりて、正嘉三年正月廿九日供養し侍りついでに、御宝前に参てよみ侍る

きみがよもわがよもつきずあけらけき 神のちかひにまもらざらめや

「社寺縁起伝説辞典」

二荒山神社(小林宣彦)

 また、宇都宮と日光の二荒山神社では、それぞれ本地が異なっている。 『神道集』「宇都宮大明神事」によれば、宇都宮明神は男体女体としてあらわれ、男体の本地は馬頭観音、女体の本地は阿弥陀如来であるとする。 また、諏訪明神とは兄弟であるとし、千犬・千鳥・千狐を眷属であると記す。
 さらに、『神道集』「上野国児持山之事」では、宇都宮大明神が、加若和理を救うために、熱田大明神と諏訪大明神に協力した話が載せられている。