御霊社	東京都文京区湯島2丁目	旧・無格社

現在の祭神	崇道天皇・井上皇后・伊予親王・火雷天神・橘逸勢・吉備大臣・文屋宮田麻呂・藤太夫人 [配祀] 与財恵門稲荷・大己貴神

本地	聖観音

「御府内備考続編」巻之二十

御霊稲荷合社（本郷新町屋）

当社起立之儀は、東叡山大明院宮様上野御入室之後、被思召候は御霊之儀は禁裏御崇敬之神霊に候処、関東に鎮座無之者一つ不足に思召、御本坊御庭内に候哉御勧請被遊、 並稲荷社も大明院宮様観等御下向之砌大井川満水に而御逗留も可被為在之処、御仲間与左衛門と申者白蛇になり川之瀬を分御渡輿奉守護候、奉供之面々無滞渡川有之候儀甚御喜悦被為在、 御入室後与財門稲荷と御祭被遊候由（是又御庭内か御山内に而可有之候）、 依之南稲荷神躰白狐に白蛇之纏候像に御座候、
○本社（二間四方）　相之間（二間に二間半）　拝殿（間口四間、奥行三間）
　　祭神、御霊八所大明神、本地仏正観音（銅立像、三尊、丈六寸）
　　八所御霊（吉備丸・早良太子・伊予親王・藤広嗣・橘逸勢・文宮田丸・藤吉子・火雷大神）
　　与財門稲荷　月山阿弥陀　湯殿山大日　羽黒山正観音　不動
［中略］
○例年稲荷祭礼、二月初午　御霊八所祭礼、八月十八日、
　　祭礼之節は日光御門主様より御名代御座候、
［中略］
○別当医王山薬王寺妙厳院　天台宗東叡山末