現在の祭神 |
五男三女神 [配祀] 丹生大神・高野御子大神 |
「紀伊続風土記」巻之四十七(伊都郡第六)
四村荘 星川村
○八王子社 境内周四十間
本社(方五尺) 丹生明神・高野明神合祀
東星川の谷の端にあり
一荘の産土神なり
下の八王子に対して上ノ八王子といふ
境内に観音堂あり
天文十二年元亀二年同三年の棟札あり
昔より社事厳に執行ひしと見ゆ
神主を久保氏という
御所村に住す
別当 神宮寺
宮の境内にあり
寺に虚空蔵あり
当社の本地仏なりといふ
○八王子社 境内周六十間
本社(三扉五尺 三尺五寸) 丹生明神・高野明神合祀
上の八王子より一町半許下谷の西にあり
又一荘の氏神なり
上の社に対して下ノ宮といひ又古宮ともいふ
上の社の境内にある観音堂は当社の本地堂なりといふ
按するに上下二社配神今一神なれとも祭日異なると(上ノ宮は九月十三日六月十三日十一月十三日 下ノ宮は九月午の日六月丑の日)
本地仏の異なるは旧は同社にあらさるならむ
相伝む往古は専当社を氏神とせしに大水にて社流失せしより上の八王子を氏神とすといふ
往古は当社は異神を祀りしに後世八王子を荘の氏神とせしより亦八王子を旧の氏神の地にも建立せいならむ
今の本地仏と祭日とは旧の氏神の遺事なるへし