白山神社 東京都八王子市中山7丁目 旧・村社
現在の祭神 伊弉冉尊
本地 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之九十七
(多磨郡之九)

中山村

白山社

社地、一町四方、無年貢地、 字宮ノ前にあり、 村の鎮守なり、 鎮座の年代をしらず、 棟札に寛永六年十二月、本願主円覚院、大旦那伊藤九郎左衛門等、白山権現、本地十一面観音、宮造立の由をしるす、 この時始て祀れるにや、 神体は鏡なり、桐の箱に納め、それを石櫃にいれて社におく、 覆屋あり、二間半に三間南向なり、 社地は山上にてこゝより二町ほどを下りて、又石階二十級あり、その下に鳥居をたつ、 例祭は年々八月二十日なりと、
末社 熊野社 稲荷社 愛宕社 山王社 本社の左右にあり、何づれも小社なり
産神 高さ二尺ばかりにて、石剣のごとき石なり、石階の上の左の方にたてり、社はなし、
古石塔 長二尺余五輪の塔なり、これは覆屋建立の時、後背の山よりほり出せしものなりと云、文字多く彫りたれど、損壊してよむべからず、たゞ山王廿一社の五字仄に見ゆ、
別当常賢院 社地より一町余、東の方に住めり、木曾村覚円坊支配の修験なり