白山神社 新潟県新潟市中央区沼垂東一丁目 式内論社(越後国沼垂郡 美久理神社)
旧・郷社
現在の祭神 菊理媛命・天照皇大神
本地 十一面観音

小池内広「越後国式内神社考」

美久理神社

美久理神社白山社 祭神(水門神・菊理姫命)
[中略]
かくて何時の頃よりか、真言宗海岩山得生院と云別当つきて(又神宮寺とも称す)、其威強く、社務其他すへて彼別当の掌中にありしかは、狡意に本地仏と称して、観音を本社に納め置き、旧来の神官を蔑如する事数百年なりき、
[中略]
さて御一新の後、本地仏も別当もとり捨たれたり、 しかるに得生院は所謂滅罪等にて、且家もおほかれは、彼本地観音を持行て、大なる堂をたつるによりて、土俗等は猶まとひさめす、氏神様は本社にましまさす、得生院へうつり玉へりなといひあひて、白山社へは祭日にも参詣人まれに、観音堂はいよいよはやりそふこそあさましけれ

高岡功「越後における白山信仰の浸透」

 新潟市山木戸の得生院(真言智山派)は近年同市沼垂からの移転新築であるが、白山神社の別当職をしていた。 分離後は仏関係を同寺が引き受けたが、鰐口と水引だけは神社に置き忘れてきた。 この寺の本尊は阿弥陀で、脇侍に聖観音、勢至を配している。 その左手の内陣に元沼垂白山権現の本地十一面観音が祀られている。 この十一面は木彫約23センチメートルの大きさで、前立に不動明王をともなっている。 仏像は神社にあった時、神輿に入れてかつぎ廻ったため、大分破損しているという。 同寺文書の元禄十一年(1698)の「鎮守白山権現・得生院縁起」によると、当時の神主は横山対馬守としるされている。 この寺では毎年二月十七日を「お十七夜」といい、観音の祭りをしている。 この晩を「観音のヨミヤ」と称して夜籠りした。 今も大ローソクを点じ星供養をしているが、十七日だけとなった。 約2〜300人が参加し、お斎の後、午後から護摩をたき祈祷し、法楽としては今は民踊を行なっている。