白山神社 東京都八王子市廿里町  
現在の祭神 伊邪那美命
本地 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之百三
(多磨郡之十五)

下長房村

白山社

村の西に寄りてあり、 御朱印十四石余を附せらる、 村内の鎮守なり、 一の鳥居は上椚田村字河原ノ宿の側にあり、 こゝより二町許りを過て、浅川を渉り石階三十二級を登りて、別当寺あり、 そこより又石階三十二級を登り、又巉巌を攀登ること三町ばかり、 径の左右老樹多く生茂れり、 それより数百歩の平地ありて、社前にいたる、 本社は一間に二間、 上屋三間に四間、 拝殿一間半に二間、 前に木の鳥居あり、すべて南向なり、 神体は木の立身にて長一尺七八寸、殊勝なる古像なり、 本地十一面観音は青石の碑面に彫出せし像なり、 側に文永十二年卯月八日、阿闍梨禅仁としるしてあれば、古き勧請なることも推して知らる、
[中略]
奥院 本社より一町余を登りて建つ、
末社六社 本社の後にあり、共に小祠なり、
別当安永寺 新義真言宗、高尾山薬王院の末、良広山と号す