日枝神社 | 東京都千代田区永田町2丁目 | 旧・官幣大社 |
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現在の祭神 | 大山咋神 [配祀] 国常立尊・伊弉冊尊・足仲彦尊(仲哀天皇) |
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本地 |
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永田馬場にあり。 江戸第一の大社にして、別当は天台宗僧正にして観理院と号す。 神主は樹下氏なり。 その余、社僧および社家巫女等数多あり。 御祭礼は隔年六月十五日なり。
[中略]
本社祭神大宮(比叡の二宮小比叡大明神を勧請す。垂跡は国常立尊にして天地開闢第一の神なり。薬師如来を本地仏とす)。
二宮(気比の宮を勧請す。垂跡は仲哀天皇にして応神天皇の御父なり。聖観世音菩薩を本地仏とす)。
三宮(客人の宮を勧請す。垂跡は伊弉冊尊にして白山妙理権現なり。十一面観世音菩薩を本地仏とす。江戸名所記に、第三には、下の七社のうち王子の宮、本地は文殊大士なりとあり)。
[中略]
当社は淳和天皇の天長七年庚戌、慈覚大師勅によりて、武蔵国入間郡仙波にあるところの、星野山無量寺を再興ありて、円頓の教法を弘めたまひし頃、仏法王法護持のため、かつは和光の利益を普く万民に蒙らしめんと欲して、わが立つ杣の日吉山王二十一社、上中下の内より一社づつを撰みて、三所の霊神を彼地に勧請したまひ、かくして星霜を経たり。 しかるに文明年中太田道灌、この山王三所の御神を星野山より江戸に遷し奉る。