日差明神(日差山毘沙門天) 岡山県倉敷市山地 日差山日差寺境内の磨崖仏
現在の祭神 祭神不詳
本地 毘沙門天

「備中誌」(都宇郡 巻之一)

日指明神[LINK]

日指明神
昔日指の神社とて日指山の頂に鎮座せり。 今尋之に山上一ツの旧趾を残し、其側の大巌に毘沙門天を彫付たり。 即吉備津宮御崎の本地仏にて、賀陽氏の記にも出せり。 昔吉備津彦命温羅退治の時、日指の夜目山主命、其子夜目丸、御味方となり、所々の戦ひに打勝給ひ、温羅降伏せし事m宮内及鬼の城縁起にも出つ。 日指明神と云は、此夜目山主命、夜目丸を祀れるなり。 其後天平勝宝に至て、報恩大師此地に寺を造りしか、日指明神湮滅せしを悲て、巌の側に毘沙門の像を刻んで彼命の霊を祭りしより、世々日指寺是を掌りたり。 是吉備津の神七拾参社の一ツにして、本地毘沙門なれはなり。
今は日指の神の名は亡ひて、里人すら毘沙門とのみいへり。 其像を以ていへるはさる事なれども、願はくは日指明神と唱へて昔のおもかげをへましきものなり。
毘沙門天石体尊像畧図。
日指明神磐石に刻す本地仏毘沙門天図。
右二図畧之。