日高見神社 宮城県石巻市桃生町太田 式内社(陸奥国桃生郡 日高見神社)
旧・郷社
現在の祭神 天照皇大神
[配祀] 日本武命・武内宿禰命
本地 十一面観音

「宮城県史」巻十三(美術・建築)

三、東北の位置と仏像[LINK]

 日高見神社の南の岡の上の城跡を安倍貞任の館跡と伝えるが、平安末には同神社は安倍一族に尊敬された神とみられ、このあたり安倍氏伝説にとむ。 日高見神社は北上川をまつった神と考えられる。 十一面観音は阿修羅闘争の苦しみを救うと信ぜられ、北上川沿岸地帯の平和を希ってまつられたものであろう。 これが古来の式内社日高見の神の本地仏として、安倍一族に信奉されたものと思う。
[中略]
 給分の十一面観音(重要文化財) 牡鹿郡牡鹿町給分浜
 給分浜の十一面観音は、像高九尺三分(281.75センチ)の力強い鎌倉時代の作品である。 先述したように日高見神社の本地仏として作られたものと見られる。 中世給分浜に移されたものらしく『封内風土記』は当時の古伝を記している。