日吉大社 滋賀県大津市坂本五丁目 式内社(近江国滋賀郡 日吉神社[名神大])。
二十二社
旧・官幣大社
現在の祭神
西本宮(大宮)大己貴神
東本宮(二宮)大山咋神
摂社・宇佐宮(聖真子)田心姫命
摂社・牛尾宮(八王子)大山咋神荒魂
摂社・白山宮(客人)白山姫神
摂社・樹下宮(十禅師)鴨玉依姫命
摂社・三宮宮玉依姫命荒魂
摂社・大物忌神社(大行事)大年神
末社・牛御子社山末之大主神荒魂
摂社・新物忌神社(新行事)天知加流水姫神
末社・八柱社(下八王子)五男三女神
摂社・早尾神社素盞鳴尊・猿田彦神
摂社・産屋神社(王子)鴨別雷神
末社・宇佐若宮(聖女)下照姫神
末社・樹下若宮(小禅師)玉依彦神
末社・大宮竈殿神社奥津彦神・奥津姫神
末社・二宮竈殿神社奥津彦神・奥津姫神
摂社・氏神神社(山末)健角身命
末社・巌滝社(岩滝)市杵島姫命・湍津島姫命
末社・剣宮社瓊々杵尊
末社・気比社仲哀天皇
末社・内御子社(内王子)猿田彦神
末社・恵毘須社(夷三郎殿)事代主神
末社・宇佐竈殿社(新社)奥津彦神・奥津姫神
末社・鼠社大国主命
本地
上七社大宮釈迦如来
二宮薬師如来
聖真子阿弥陀如来
八王子千手観音
客人十一面観音
十禅師地蔵菩薩
三宮普賢菩薩
中七社大行事毘沙門天
牛御子大威徳明王
新行事持国天吉祥天
下八王子虚空蔵菩薩
早尾不動明王
王子文殊菩薩
聖女如意輪観音
下七社小禅師弥勒菩薩龍樹菩薩
大宮竈殿金剛界大日如来
二宮竈殿日光菩薩・月光菩薩
山末摩利支天
岩滝弁才天
剣宮不動明王
気比聖観音
末社(大宮)東竹林高貴徳王菩薩虚空蔵菩薩
西竹林(若宮)十一面観音釈迦如来
末社(二宮)若宮聖観音
末社(聖真子)聖真子之竃殿胎蔵界大日如来
末社(八王子)若宮大勢至菩薩地蔵菩薩
末社(客人)大己貴阿弥陀如来
小白山聖観音
一佐羅(若宮)多聞天
二佐羅(三宮)如意輪観音
三佐羅(加宝)虚空蔵菩薩
四佐羅(禅師)地蔵菩薩
五佐羅(剣宮)不動明王
六佐羅(児宮)釈迦如来
末社(十禅師)夢妙幢社夢妙幢菩薩
内王子地蔵菩薩
不動明王
三郎殿毘沙門天
悪王子愛染明王
末社(大行事)貴布禰不動明王
伊豆三嶋明神大通智勝仏
末社(早尾)手摩乳(三上社)文殊菩薩
山長制吒迦童子
吉備津宮地蔵菩薩
伊豆権現千手観音
末社(王子宮)鼠祠大日如来毘沙門天
祇園天王薬師如来

「二十二社并本地」

伊勢(聖観音)。
八幡(釈迦)。
賀茂(御祖社釈迦)。
松尾(釈迦)。
平野(一殿大日。二殿聖観音。三殿地蔵。四殿不動)。
稲荷(下社大宮如意輪。命婦文殊。田中不動。中社千手。上社十一面)。
春日(一殿不空羂索観音。二殿薬師。三殿地蔵。四殿十一面)。
中七社。
大原野(同春日)。
大神(大日。聖観音)。
石上(十一面。文殊。不動)。
大和(一宮弥勒。二宮薬師。三宮聖観音)。
広瀬(大宮聖観音)。
龍田(釈迦三尊)。
住吉(一神薬師。二神阿弥陀。三神大日。四神聖観音)。
下八社。
日吉(大宮釈迦。二宮薬師)
梅宮(一殿如意輪。二殿聖観音。三殿不空羂索。四殿信相)。
吉田(同春日)。
広田(一殿聖観音。二殿阿弥陀。三殿高貴徳王大菩薩。四殿阿弥陀。五殿薬師)。
祇園(天王薬師。波利女十一面。八大王子。八字文殊)。
北野(十一面)。
丹生(薬師)。
貴布禰(不動)。
 已上二十二社。
 前伯三位仰吉田宮神主注之。

「諸神記」

日吉[LINK]

日吉
日吉明神者磯城嶋金刺宮ノ即位元年ニ自天降于大和国磯城上郡現大三輪神 大津宮即位元年現老翁形曰我是大比叡大明神也
近江国滋賀郡 日吉神社
大宮 本地釈迦  二宮 本地薬師  聖真子 本地阿弥陀  八王子 本地千手  客人 本地十一面  十禅師 本地地蔵  三宮 普賢  大行事 毘沙門  早尾 不動
天智天皇御宇大比叡神顕坐  日吉与三輪此国地主也  又云七社本地  大宮 大己貴尊  二宮 国常立尊  聖真子 八幡  八王子 国狭槌尊  客人 白山  十禅師 稲荷 地神三代尊也  三宮 豊斟渟尊

「神道集」巻第三

高座天王事

そもそも高座天王は、近江国の鎮守、比叡山守護の大霊験なり。 比良の高峯の海近く、常楽我浄の四徳波羅蜜の波、比叡大巓の修禅に寄せ、昔よりかの所に住して衆生擁護したまふ。 伝教大師この山に一乗円宗を弘めたまふ時に、山王権現とは顕れたまふ。 日吉山王とて崇めたまひ、万人を利益したまふ事称計すべからず。 山王の二字を大師不審に思しめして、祈申さるる夢の内の示現に教へたまふ。 竪の三点に横の一点を加へては、三諦即是の法門、常住仏会の妙覚、朗然頓味の高山なり。 横の三点に竪の一点を加へては、三徳秘蔵の法門、妙法頓悟の良薬、円頓即是の法門なり。 両字の念願は即山王の二字なりと夢みて覚めぬ。 故に山王とは披露し給へり。 遥かにその最初を尋るに、御巓の頂修禅石の上に、常楽我浄の四徳波羅蜜の波を懸けしより、以来、かの峯に住みて、今は伝教大師の一乗円宗をこの山に弘めたまふ。
麓に下りては、山王権現と顕はれ、二十一社の内に、上七社と申すは、一の宮を大宮法宿権現と号す。 御本地は大恩教主釈迦牟尼如来これなり。
二の宮は地主権現と名づく。 今は高座天王これなり。 本地は薬師如来これなり。
三の宮は聖真子権現と名づく。 阿弥陀如来これなり。
四の宮は大八王子と名づく。 本地は千手観音これなり。
五の宮は客人の宮と名づく。 本地は十一面観音なり。
六の宮は十禅師権現と名づく。 本地は地蔵菩薩なり。
七の宮を第三の王子と名づく。 本地は普賢菩薩なり。
この外は下八王子・王子宮・大行事・早尾等、本地は虚空蔵・文殊・多門天・不動明王等なり。 総じて上中下合して二十一社なり。

「諸神本懐集」

日吉は三如来の垂迹、四菩薩の応作なり。 いはゆる大宮は釈迦如来、地主権現は薬師如来、聖真子権現は阿弥陀如来、八王子は千手観音、客人は十一面観音、十禅師は地蔵菩薩、三ノ宮は普賢菩薩なり。

「源平盛衰記」巻第四

山王垂跡事

凡そ山王権現と申すは、磯城島金刺宮、即位元年、大和国城上郡大三輪神と天降給ひしが、大津宮即位元年に、俗形老翁の体にて、大比叡大明神と顕れ給へり。 大乗院の座主慶命、山王の本地を祈申されけるに、御託宣に云く、此にして無量歳仏果を期し、是にして無量歳群生を利すと仰ければ、座主提婆品の「我見釈迦如来於無量劫、難行苦行積功累徳、求菩薩道未曾止息、観三千大千世界、乃至無有如芥子許非是菩提捨身命処」と云文に思合て、大宮権現ははや釈尊の示現也けり、されば「我滅度後於末法中、現大明神広度衆生」とも仰せられ、「汝勿帝泣於閻浮提、或復還生現大明神」とも慰め給ひけるは、日本叡岳の麓に、日吉の大明神と垂跡し給ふべき事を説給けるにこそと、感涙をぞ流されける。 地主権現と申すは、狗留尊仏の時、天竺の南海に、「一切衆生、悉有仏性」と唱る波立て、東北方へ引けるに、彼の波に乗て留らん所に落付んと思食けるに、遥に百千万里の波路を凌て、小比叡の杉下に留らせ給ひけり。 其後天照大神天の岩戸を開き、天御鋒を以て海中を捜せ給ひしに、鋒に当る人あり。 誰人ぞと尋ね給ひければ、我は是日本国の地主也とぞ答へ給ひける、昔天地開闢の初の、国常立の尊の天降り給へる也。 此の神日吉に顕れ給ひけるには、三津川の水五色の浪を流しけり。 されば我朝は、大比叡小比叡とて大宮二宮の御国也。 迹を叡山の麓に垂て、威を一朝の間に振ひ、円宗守護之霊神、王城鎮護之霊社也。

「太平記」巻第十八

比叡山開闢事

夫れ斯の国の起こりは家々に伝ふる処格別にして其の説(まちまち)也といへ共、暫く記する処の一儀に、天地已に分れて後、第九の減劫人寿二万歳の時、迦葉仏西天に出世し給ふ。 時に大聖釈尊其の授記を得て、都率天に住み給ひしが、我八相成道之後、遺教流布の地、何の所に有べしと、此の南瞻部州を遍く飛行して御覧じけるに、漫々たる大海の上に、「一切衆生悉有仏性、如来常住無有変易」と立浪の音あり。 釈尊是れを聞召て、此の波の流れ止まらんする所、一つの国と成りて、吾が教法弘通する霊地たるべしと思召ければ、則ち此の浪の流れ行くに随て、遥に十万里の蒼海を凌ぎ給ふ。 此の波忽ちに一葉の葦の海中に浮べるにぞ留りにける。 此の葦の葉果して一の島となる。 今の比叡山の麓、大宮権現跡を垂れ給ふ波止土濃(はしどの)也。 是れ故に波止て土(こまやか)也とは書けるなるべし。 其の後人寿百歳の時釈尊中天竺摩竭陀国浄飯王宮に降誕し給ふ。 御歳十九にて二月上八の夜半に王宮を遁れ出で、六年難行して雪山に身を捨て、寂場樹下に端坐し給ふ。 又六年の後夜に正覚を成しし後、頓大三七日、遍小十二年、染浄虚融の演説三十年、一実無相の開顕八箇年、遂に滅度を抜提河の辺、双林樹下に唱へ給ふ。 然れども、仏は元来本有常住周遍法界の妙体なれば、遺教流布の為に、昔葦の葉の国と成りし南閻浮提豊葦原の中津国に到つて見給ふに、時は鵜羽不葺合尊の御代なれば、人未だ仏法の名字をだにも聞かず。 然れ共此の地大日遍照の本国として、仏法東漸の霊地たるべければ、何れの所にか応化利生之門を開くべきと、彼方此方を遍歴し給ふ処に、比叡山の麓楽々名美也志賀の浦の辺に、釣を垂れて坐せる老翁あり。 釈尊これに向て、「翁若し此の地の主たらば此の山を吾に与へよ。結界の地と成し仏法を弘めん」と宣ひければ、此の翁答へて曰く、「我は人寿六千歳の始より、此の所の主として、此の湖の七度迄蘆原と変ぜしを見たり。但し此の地結界の地と成らば、釣する所を失ふべし。釈尊早く去つて他国に求め給へ」とぞ惜みける。 此の翁は是れ白髭明神也。 釈尊茲に因て、寂光土に帰らんとし給ひける処に、東方浄瑠璃世界の教主医王善逝忽然として来り給へり。 釈尊大に歓喜し給ひて、以前老翁が云つる事を語り給ふに、医王善逝称歎して宣はく、「善哉釈迦尊、此の地に仏法を弘通し給はん事。我人寿二万歳の始より此の国の地主也。彼の老翁は未だ我を知らず。何ぞ此の山を惜み奉るべき哉。機縁時至りて仏法東流せば、釈尊は教を伝ふる大師と成つて、此の山を開闢し給へ。我は此山の王と成つて久く後五百歳の仏法を護るべし」と誓約をなし、二仏各東西に去り給ひにけり。 角て千八百年を経て後、釈尊は伝教大師と成せ給ふ。 延暦二十三年に始めて求法の為に漢土に渡り給ふ。 則ち顕密戒の三学淵底に玉を拾ひ、同二十四年に帰朝し給ひぬ。 爰に桓武皇帝、法の檀度と成らせ給ひて比叡山を草創せられ始め、伝教大師勅を承て、根本中堂を建てんとて地を引かれけるに、紅蓮の如くなる人の舌一つ土の底に有つて法華読誦の声止まず。 大師怪みて其の故を問ひ給ふに、此の舌答へて曰く、「我古へ此の山に住して、六万部の法華経を読誦せしが、寿命限り有て身已に壊すと雖も、音声尽くること無くして舌は尚ほ存せり」とぞ申しける。 又中堂造営の事終て、本尊の為に大師御手から薬師の像を作り給ひしに、一度斧を下して、「像法転時、利益衆生、故号薬師、瑠璃光仏」と唱へて、礼拝し給ひける時に、木像の薬師首を屈して諾かせ給ひけり。 其の後大師は小比叡の峯に杉の庵を卜て、暫く独り住し坐ける。 或る時角ぞ詠じ給ひける。 「波母山や小比叡の杉の独居は嵐も寒し問人もなし」と遊ばれ、観月を澄して御坐ける処に、光明嚇奕たる三つの日輪、空中より飛び下れり。 其の光の中に釈迦・薬師・弥陀の三尊光を並べて坐し給ふ。 此の三尊或ひは僧形を現じ、或ひは俗体に変じて、大師を礼し奉りて、「十方大菩薩・愍衆故行道・応生恭敬心・是則我大師」と讚め給ふ。 大師大きに礼敬し給ひて、「願はくは其の御名を聞かん」と問ひ給ふに、三尊答へて曰く、「竪の三点に横の一点を加へ、横の三点に竪の一点を添ふ。我れ内には円宗の教法を守り、外には済度の方便を助けん為に、此の山に来れり」と答へ給ふ。 其の光天に懸れる事、百練の鸞鏡の如し。 大師此の言を以て文字を成すに、竪の三点に横の一点を加へては、山と云ふ字也。 横の三点に竪の一点を添ては王と云ふ字也。 山は是れ高大にして動せざる形、王は天・地・人の三才に経緯たる徳を顕はし玉へる称号なるべしとて、其の神を山王と崇め奉る。 所謂大宮権現は久遠実成の古仏、天照太神の応作、専ら円宗の教法を護り、久く比叡山に宿す。 故に法宿大菩薩とも申し奉る。 既に是れ三界の慈父、我等が本師也。 聖真子は九品安養界の化主、八幡大菩薩の分身、光を四明の麓に和げ、速に三聖の形を示す。 十悪と雖も猶ほ引接したまふ事は、疾風の雲霧を披くよりも甚し。 一念と雖も必ず感応なる事は、これを巨海の涓露に納るるに喩ふ。 和光同塵は既に結縁のめたり。 往生安楽は豈得脱の終りに非ず乎。 二の宮は初め大聖釈尊と約をなし給ひし東方浄瑠璃世界の如来、吾国秋津州の地主也。 随所示願の誓ひ既に叶ふ。 現世安隠の人望、願生西方の願ひ、豈後生菩提の指南に非ず乎。 八王子は千手観音の垂跡、無垢三昧の力を以て、奈落伽の重苦を済ふ、灌頂大法王子也。 故に大八王子と云ふ。 本地清涼の月は安養界に処すと雖も、応化随縁の影は遥に麓の祠露に顕る。 各所居の浄土を表せば、是れ然しながら補陀洛山共申しつべし。 客人宮は十一面観音の応作、白山禅定の霊神也。 山王の行化を助け而も、北陸之崇峯を出で東山之霊地に来たる、故に客人と号す。 現在生の中には十種勝利を得、臨命終の時には九品蓮台に生ず。 十禅師の宮は無仏世界の化主、地蔵薩埵の応化也。 忝も牟尼の遺教を受け、懇に忉利の付嘱に預る。 二仏中間の大導師、三聖執務の法体也。 彼の御託宣に云く、「三千の衆徒を養つて我が子とし、一乗の教法を守つて我が命とす」と示し給ふ。 設ひ微少の結縁也と雖も、宜しく莫大の利益を蒙る。 三の宮は普賢菩薩の権化、妙法蓮華の正体也。 一乗読誦の窓の前には、影向を垂れて、哀愍納受し給まふ。 既に是れ慚愧懺悔の教主たり。 六根罪障の我等何ぞこれを仰ぎ奉らざらん哉。 次に中七社、牛の御子は大威徳、大行事は毘沙門、早尾は不動、気比は聖観音、下八王子は虚空蔵、王子の宮は文殊、聖女は如意輪、次に下七社の小禅師は弥勒龍樹、悪王子は愛染明王、新行事は吉祥天女、岩滝は弁才天、山末は摩利支天、剣宮は不動、大宮の竃殿は大日、聖真子の竃殿は金剛界の大日、二宮竃殿は日光・月光、各大悲の門を出て、利生之道に趣き給ふ。 其の後四所の菩薩、化を助けて十方より来至し、三七の霊神光を並べて四辺に囲繞し給ふ。

「日吉社神道秘密記」

社務上祖琴御館宇志丸宿禰、自本国常州鹿嶋郡上洛、江州志賀郡三津浜居住之所、号唐埼。 於庭前殖松、名之軒端之松。 時代第三十五代舒明天皇御宇五年頃。
[中略]
大比叡大明神、大己貴尊(尊号数々有)、又大国主尊、又大国作尊、又顕国玉尊。
臨幸之時代、第三十九代天智天皇御宇白鳳二(癸酉)年三月上巳。 於大津与大崎八柳浜有臨幸。 于時海上之漁舟、田中恒世召之、教我唐崎松下可送。 恒世畏而白言、則同可乗漁舟。 於船中仰曰、我祭季之可備御料。 恒世答申云、漁舟之間、好物無之、於是粟飯有、奉献上味。 早速御船漕着唐崎之浦。 尊神於舟上陸給。
[中略]
[図1]
[図2]
[図3]
尊神者、唐崎琴御館宇志丸宿禰亭、庭前之松下在臨着。 尊神与宇志丸同座於石上。 神言曰、吾者是仏法王法之守護神也、於此処可有鎮座、可求与勝地云々。 琴御館答曰、於此唐崎之海上五色波起常、一切衆生悉有仏性、如是有響、早可有御覧言給、奉御船給。 尊神乗御船、観海上之波浪、一切衆生経文。 帰座而御詠歌伝宇志丸給。
 大伴の三津の浦はを打さらし、よりくるなみの行衛志らずも
琴御館承御詠歌。 又白言、君従何方御来臨、御名何与問給。 尊神答曰、我者是和州三輪来至、此処可現神妙之相、教御船上松梢給。 于時宇志丸観神変白言、於乾山下有勝地、在神幸、我又追御跡尋上、建神殿可奉成御遷宮申給。
尊神忽然去給、従唐崎比叡辻着給。 石占井登給。 於此処女人為占手、尊神対女人問曰、求我鎮座之勝地、有何方否。 女人占曰、従此当山下有勝地、可尋往給云々。 以此処井水洗尊神之御足給、号石占井。 此女人祝神体号石占井大明神。
尊神従石占井到波止土濃、携持給御杖差此地給、早生付為桂木、青葉萌出。 又結杉之葉給。 此谷川五色之波流合、其響経文也。 一切衆生悉有仏性、如来常住無有変易。 此文唐崎之波音同前、依之尊神於此処有御垂跡。 神語曰、和州三輪之杉、唐崎之松梢移坐。 御託宣以後、波止土濃臨幸之御迹、任神通力、琴御館尋上波止土濃、観之給、杉葉結置之、御杖桂青葉依現形。 建立宝殿、尊像有尅彫、奉成御遷宮。 其時御詠歌。
 東より琴の御館にさそはれて、此山すへにとまる松かせ
宇志丸承知之、重而有懇祈神号御形。 其時於闇夜空中、如日輪光明為照耀、而日輪之内有大文字、依之奉称大宮。 就日輪之験、日吉大宮権現祟之給。 御形再拝懇祈刻、大文字現形、故号大宮。 本文曰、大如車輪、又大如微塵等同前也。 カタチ車輪ノ如ク、微塵ノ如クト読也。 本社建立事。 琴御館宇志丸御祈所、次々二宮聖真子八王子、皆宇志丸御造立之処。
[中略]
浜中所々神社之次第
唐崎 女別当社(口伝)
婦女或松之精神祝之。 或琴御館種々相伝有之。
[図4]
[図5]
自此小唐崎祭礼七社御船有出御。 大津に八柳之浜有之。 小唐崎又八柳也。
[中略]
[図6] (北 若宮 酒井大明神 本地千手 南 若宮大明神 女形十一面)
北は酒井町。酒之泉涌出たり。故酒号井町。 此泉之精神崇之社建。以石形為神躰有遷宮。 南は若宮大明神。 是は穴太村より禅那大明神勧請之。女形之御神躰。 禅納之社。客人宮より勧請之。 客人宮者。日本開闢之明神是也。 然は富津南若宮は客人明神也。
興成
多江間町 俗形。
礒成
富崎町 俗形。社家之神位祝之。
[中略]
騎兵
比叡辻の橋詰。比叡辻町信用祭礼神人住処出之。
若宮
小比叡大明神を勧請す。依之号比叡辻。僧形。本地薬師。
若宮
和田町。俗形。
御供所
俗形。数多鎮座。衣冠。成遠神位祝之。希遠社頭之氏永社是也。
[中略]
[図7] (石占井社 神躰女躰又烏帽子形 本地毘沙門 占之女人祝之)
[中略]
大神門社。
三聖臨幸之事。
大神門辺に地蔵の尊像有之。
役の行者作也。
和泉社。
衣冠。本地薬師。
古里井。
同上。
福大夫。
烏帽子。本地毘沙門。大乗寺之町之社也。薬師堂之前也。
井神。
衣冠。御田奉行之明神是也。
[中略]
於大唐三皇之内。神農皇帝是也云々。地蔵是本地五穀成就之神徳有之。
倉園大明神。
衣冠帯太刀。八條鎮守社。第十三代成務天皇の王宮穴太有之。江州此神出現。元三大師之時。社建立之事。本地毘沙門。[中略]
郡園社。
中の八條町鎮守是也。女躰御装束。本地普賢菩薩。三宮御一躰。
[中略]
生源寺。
本尊千手。伝教大師御首許り作之。御入唐之間に御弟子両人(恵慶・法慶)作之。 有摩頂樹。杉也。 伝教大師御誕生の処也。故号生源寺。
御父 三津百枝。三百歳御延命。
御母 妙徳夫人。五百歳御延命。
[中略]
御本地次第化身。
薬王は伝教大師の生給(第二寂光。第三慈覚) 薬上は義真和尚。第一天台座主。 華徳は三津百枝。赤祠町冠者殿社。 妙音は妙徳夫人。横小路妙見の社也。又神宮寺有之。
[中略]
大将軍社。
山祇。女躰。本地刀八毘沙門。
市殿薬師。
坂本中為惣社。山祇御姫(姉岩長姫。妹木華開耶姫)地神第三尊神后也。彦火々出見尊之御母也。
妙見社。
大師御母。横小路より東下細道あり。
[中略]
冠者殿。
赤祠町也。大師之御父母両処あり。
[中略]
中神門。
鑁字門。三之内先演之。
[中略]
騎鈴社。
祭礼神人以鉾馬場渡。騎馬。
騎兵社。
祭礼神人以弓箭同渡之。近年比叡辻河端北際有之。神人代木守兵也。
[中略]
[図8] (王子宮 童形青狩衣表袴団御持柄 十六歳許)
鼠祠。
是王子宮末社之内也。子之神也。仕者鼠は本地大日也。御神躰鼠の面。俗形烏帽子狩衣。
[中略]
王子宮初参事。
以法華大意如此。 序品は文殊始也。故に初度也。 勧発品は普賢末也。故に結願参り下向する也。 二十八品初後信心是也。
〇王子宮 初 文殊
〇大宮 中 釈迦
〇三宮 後 普賢
文殊三世諸仏の智母。故序品は文殊一番也。普賢法華の正躰自在神通従東方来云々。 文殊師利法王子経文也。故号王子宮。
[中略]
[図9] (早尾社 俗形衣冠)
此神中堂建立の時。毎日御影嚮。大師見送添人給此林え入給。故建社壇。俗形。本地不動。
三上社には手摩乳。脚摩乳。稲田姫是也。内八社。外八社有之云々。
尾州熱田之宮の内。源大夫殿是也。
[中略]
手摩乳。文殊。源大夫殿早尾御一躰。
○左 大行事 毘沙門天王。
○七社
○右 早尾 不動明王。
九所宮已上是也。岩滝次有社。 五大尊之中尊不動明王。悪魔降伏。 早尾は馬場の頂上鎮護の社是也。
[中略]
大師堂は慈恵大師安置之。
慈恵大師初登山之時。於此処休給。故後作之。
[中略]
[図10]
此地は北尾の明達律師之里房也。明達行力達者。現妙之行者也。 第六十二代朱雀天皇。朝敵(御弟)悪人将門親王。於東国御移住。然而為朝敵上洛。 有調伏之法。対明達有勅定。則将門親王滅亡畢。明達法成就之砌。多宝塔建立あり。 故号塔下社。日本惣社者。依宣下。六十余州大小神祇勧請之。 塔下社者調伏祈念所也。
[中略]
○猿行事は大行事御一躰祈念成就。御神力尤可有信用事。
○子安子立者。子々孫々長久祈之。男女出生祈念。此御社也。諸国有之。
惣合神門。
先記之。吽字門也。神道金胎合躰。依之号惣合。
[中略]
岩神社。
子安是也。圍繞此社子孫長久祈之。 子誕生百一日に初て参社し。於此付童名。可凝懇祈御社是也。
栢木客人。
権現御影嚮の神木是也。御託宣。我久有樹下未安居。
[中略]
春日岡。
護法石(已上九あり)木共あり。 春日大明神御影向之霊地也。
[中略]
波母山小比叡杣。
一切衆生経文之初也。 日本未開其以前より波母山あり。天神第六面足尊之時代より波母山あり。 過去拘留孫仏の在世。天竺南海に一切衆生之経文。 波響に乗し給。尊神御到来之所号波母山。
[中略]
金堂 
本尊阿弥陀。昔は一切経奉納処也。此堂は行基菩薩之造立云々。本尊同作也。
[中略]
[図11]
[図12]
東竹林。
住吉明神御勧請。伝教大師住吉御参詣。依之如此。
西竹林。
宇佐八幡宮。百日大師御参籠砌。大菩薩より袈裟大師与之云々。 八幡は応神天皇也。御姫妙徳夫人と申。妙徳夫人御子大師御出生あり。伝教御祖父八幡大菩薩御約束。 東竹台西竹台。八十余社之内是也。竹は天上より天降生付也(口伝)
大宮。
大国主神。又大国作神。又大己貴尊。数々有御名。 本地釈迦如来。 俗形着冠。但非普通御冠如宝冠。御笏持。左右御手合給。笏御袍薄朱衣表袴。御鬚面方撫給。御齢四十歳余。[中略] 第三十九代御宇天智天皇白鳳二年三月上巳御影向。
[中略]
七所御前。
是は七社祈念成就砌建立。
新社は号聖真子之竈殿。
僧形衣冠。本地胎蔵界大日。
大宮竈殿。
大日金剛界。俗形。奥津彦神是也。
大年神御児也。諸人家々竃殿神是也。
[中略]
聖真子。
僧形。伝教大師之御時御法躰。 正哉吾勝勝早日天忍穂耳尊是也。天照太神の第一御子。地神二番尊神。 僧形。御齢五十歳計。法服黄被。宝検帳在之。 第四十代天武帝御宇白鳳十年に御影向。 尊神御出生。応神天皇。後に八幡宮と現形給。
[中略]
大宮二宮を為陰陽之神明。於其中我為出生。故号聖真子(五男三女の第一是也。聖真子御託宣) 本地阿弥陀仏。 又大宮権現者。調皆成仏之機。 二宮権現止悪業煩悩之病。 我導十悪五逆者。可迎九品浄刹。
[中略]
聖女宮。
女形。本地如意輪。神功皇后是也。稲荷大明神是也。 神功皇后御本地。神代下照姫是也。 大己貴尊之御娘也。
[中略]
気比社。
童形。本地聖観音。 越州敦賀郡より御勧請。伝教大師御時也。 第十四代仲哀天皇是也。第十五代神功皇后御子八幡宮也。
客人宮。
女形。本地十一面。日本開闢伊弉冊尊是也。 白山大妙理権現御影向あり。
[中略]
剣宮。
童形。本地不動。瓊々杵尊是也。
若宮。
毘沙門。
賀宝。児玉。小白山。禅師。三宮。大己貴。
霊石。
歓喜天石也。 天安御遷宮之刻。此石の長(タケ)雪降白山より出現験也。 一万三千采女神。五万千妙吉祥神。十万金剛童子。
結神昔は无之。
何頃より安置哉。記録无之。
[中略]
[図13]
下八王子宮。
俗形。衣冠。本地虚空蔵。天御中主尊。天神第一是也。明星是也。
[中略]
山末。
俗形。衣冠。摩利支天尊。
[中略]
氏永社・王御子。
同社。希遠神位祝之。俗形。永沢社同前事。氏永は左方の始。希遠宿禰神位也。
広田社。
東向に西の方に立之。
[中略]
内王子。
俗形。
夷三郎殿。
俗形。堅烏帽子。已上両東向に立之山末の北にあり。
夢妙幢社。
俗形。夢妙幢菩薩是也。 善夢成就悪夢消滅と唱之。獏食悪夢。
息三郎殿。
俗形。神功皇后御子也。夷三郎とは各別の義なり。
九所宮。
七社に大行事早尾加之。岩滝の南に有り。
岩滝社。
女形。竹生島弁財天是也。たたら姫是也。 事代主神の御娘。神武后也。竹生島より御影嚮あり。
田付社。
俗形。岩滝の北に有り。
悪王子。
童形。愛染明王。
[中略]
[図14]
[図15]
二宮。
御齢七十有余。僧形。法服黄被。天神第一。国常立尊。薬師。華台菩薩。 地主権現。小比叡明神。天地開闢之神。諸神の惣大祖神是也。
[中略]
第六面足尊之時代より当山へ来至。 天竺狗留孫仏之在世云々。
[中略]
十禅師。
御齢二十有余。僧形。団之を持ち給。法服黄被。天津彦彦穂瓊々杵尊。地神第三尊神。 延暦二年御影向。 同四年七月廿四日。於山上御児形にて伝教大師御拝敬。 則建宝殿。
[中略]
大行事権現。
俗形。猿面。毘沙門。弥行事猿行事之に同。猿田彦大士。天上第一智神。
[中略]
新行事。
女形。吉祥天。興津嶋姫。三女之第一是也。
[中略]
小禅師。
僧形。団持之給。弥勒尊。一説地神第四尊神と云々。
[中略]
二宮竈殿。
比丘形。若宮は童形。日光菩薩。月光菩薩。 薬師脇士八万四千之内。上首是也。国常立尊之御子等是也。
護因社。
僧形。嘴有り。
[中略]
厳島社。
女形。安芸国より御影嚮。
貴布禰。
鞍馬より臨幸。
伊豆宮三嶋明神。
本地大通智勝仏。
石動。
能登国より来臨。
稲荷社。
山城国。
稲村社。
中部。山崎よりか。
[中略]
旋台社。
拝殿。慈覚大師御建立。 於大唐白犬大師に値遇。御帰朝之時。於此処再会し玉へり。崇之。子細奥有之
[中略]
[図16]
八王子。
俗形。束帯赤袍太刀を帯す。千手。国狭槌尊。 八十万神引率而天降。第十代崇神天皇御宇より鎮座所。神宝神服悉八色奉納之。
[中略]
右手笏持之給。以御左手添太刀の柄。御齢三十有余也。
三宮。
女形。三躰御質女唐女持団子。依三女之影嚮奉称三宮。 乗紫雲而自東方来臨し給。伝教大師御対面云々。延暦三甲子年陽春比臨幸云々。
[中略]
妙法華の正躰十願本誓御。天神第六尊惶根尊是也。此御娘伊弉冊尊是也。
[中略]
霊石あり。
惣社より東五六間の程なり。号烏帽子石。夢妙幢象石。男天女天也。
惣社。
日本国大小神祇鎮座。御神躰。山王七社。伊勢八幡春日社并諸神勧請之。伝教大師御時。
神宮寺。
本尊十一面。西に大黒天神御坐。

名称比定社本地仏鎮座地
女別当社唐崎神社 大津市唐崎一丁目
若宮大明神両社神社十一面観音大津市下阪本三丁目
酒井大明神酒井神社千手観音大津市下阪本四丁目
興成幸神神社 大津市下阪本四丁目
磯成磯成神社 大津市下阪本六丁目
騎兵不詳  
若宮若宮神社薬師如来大津市下阪本六丁目
若宮不詳  
御供所供所神社 大津市比叡辻一丁目
石占井社石占井神社毘沙門天大津市坂本三丁目
大神門社大神門神社 大津市坂本三丁目
和泉社和泉神社薬師如来大津市坂本三丁目
古里井不詳  
福大夫福太夫神社毘沙門天大津市坂本六丁目
井神日吉御田神社地蔵菩薩大津市坂本六丁目
倉園大明神倉園神社毘沙門天大津市坂本六丁目
郡園社郡園神社普賢菩薩大津市坂本六丁目
大将軍社大将軍神社刀八毘沙門天大津市坂本六丁目
市殿市殿神社薬師如来大津市坂本六丁目
妙見社市殿神社に配祀妙音菩薩大津市坂本六丁目
冠者殿冠者殿神社華徳菩薩大津市坂本五丁目
騎鈴社大富騎鈴神社 大津市坂本四丁目
騎兵社不詳  

「類聚既験抄」

日吉七社御事(号山王権現)。
大宮(号大比叡。法宿菩薩。御本地尺迦)。
二宮(□花。宝菩薩。本地。地主)。
聖真子(本地阿弥陀)。
八王子(千手)。
客人(十一面。白山也)。
十禅子。
三宮(普賢)。
之を上七社と謂ふ。
下八王子(虚空蔵)。
王子宮(文殊)。
早尾(不動)。
大行事(毘沙門)。
女聖女(如意輪。稲荷)。
気比(□又観音)。
小禅師(龍樹)。
之を中七社と謂ふ。
悪王子(愛染王)。
石滝(弁才天)。
新行事(持国天。又吉祥天)。
剣宮(不動)。
牛御子(大威徳)。
若宮。
護国。
之を下七社と謂ふ。

「耀天記」

鼠禿倉事

鼠禿倉と申は。以外僻事也。 子の日神と云也。 小童部の鼠禿倉とは云也。 本地は毘沙門也。 大行事と同事也。

山王事

大宮。 東竹林(住吉) 西竹林(八幡) 若宮(十一面也)。
二宮。 若宮(請観音。二宮左脇也)。
聖真子。 氏永。 聖女。 左脇。 王御子(氏永の東。近来在山末の辺)。
八王子。 千歳。 万歳。 岩間。 聖御子。 八の御子。 (已上五所。御殿右脇。大巌北。已下北従至南) 百太夫。 若宮(勢至菩薩。或云。地蔵菩薩。大巌南)。 七郎八郎(同社。三宮左脇也。已上四所。大巌下。自北至南)。 矢取(三宮左脇)。
客人。 小白山(御殿の右の脇。已下四社。自北至南) 若宮。 別山大行事(聖観音。或阿弥陀)。
十禅師。 悪王子(愛染王。門楼外)。 内王子(地蔵菩薩。巌滝南)。 夷(不動)。 三郎殿(ビサ門同社)。 若宮(三聖惣社。巌滝下)。
三宮。 竃(三宮右脇。八王子。矢取同社也)。
下八王子。 矢取。 早取。 若宮。 弥高。 高ノ御子。 (已上五社。御殿右脇。自北至南)。
王子宮。 祇園天王(薬師) 帳御子。 (已下七社。自北至南) 王子ノ御子。 八ノ御子。 夷三郎殿(同社)。 鼠禿倉。
早尾。 私市(大石石脇。已下五社。自北至南)。 山長(勢多伽童子)。 新社。 吉備津宮(地蔵)。 夷三郎殿(同社)。 若宮。 一童。 富永。 (已上三社。西向。已下七社。自西至東)。 弥若宮。 冠者殿。 児御子。 伊豆権現(千手)。 八幡若宮。 稲荷。 稲村。 貴布禰(不動)。 黒尾。 (已下自北至南)。 早尾。 厳島。 千歳。 弥行事。 世直。
大行事。 護因。
牛御子。 衆気在。
塔本。 夷三郎殿。 大行事。 小宮。 子安宮(鳥居南脇大石也)。
已上無動寺智信阿闍梨説云々。

「仏像図彙」

三十番神

大比叡権現(十七日)

江州山王七社大宮也
国常立尊也
本地釈迦
[図]

小比叡権現(十八日)

江州山王七社第二宮
本地薬師
[図]

聖真子権現(十九日)

江州志賀郡に現す
或は八幡大菩薩
本地阿弥陀
[図]

客人権現(二十日)

江州志賀郡
伊弉冊尊
本地十一面
[図]

八王子権現(二十一日)

江州山王七社内
本地千手観音
[図]

山王七社権現

二宮小比叡

五色の花大杉にさいて天降り玉ふ御名を華台菩薩と申す
本地薬師
[図]

大宮権現

欽明天皇元年庚申大和の三輪の明神天降らせ玉ひて天智天皇元年大比叡に現れ玉ふ
大己貴也
本地釈迦
[図]

聖真子

文武天皇元年江州志賀の郡に顕れ玉ふ
八幡大菩薩
本地阿弥陀
[図]

三宮

桓武天皇延暦六貴女の形にて紫雲に乗して法華経を持て大嶽の辺に降り玉ふ也
本地普賢
[図]

八王子

国狭槌尊なり
十代崇神天皇元年志賀の郡大嶽の傍に降り玉ふ
陵山明神
本地千手
[図]

客人権現

桓武天皇延暦元八王子山の麓に顕れ玉ふ
慶命大僧正正宮造遷宮す
白山妙理権現也
本地十一面
[図]

十禅師

桓武天皇御宇延暦二年降り玉ふ
天児屋根尊
春日大明神
本地地蔵
[図]