本庄神社 佐賀県佐賀市本庄町本庄 旧・郷社
現在の祭神 豊玉姫命
[合祀] 仁徳天皇・日子神・猿田彦神・日本武尊・ 伊邪那岐神・天照皇大神・龍王神・底筒男命・中筒男命・表筒男命・菅原道真・稚郎子神・香語山神
本地 十一面観音

「肥前古跡縁起」

本庄大明神

本庄妙見山淀姫大明神は本地十一面観世音菩薩欽明天皇の勅願也、 右を窺に、知僧元年甲申九月二十八日の夜、大塚妙見の社にして来現垂跡し玉ふ神霊也、 其比与賀の庄、末次村と云所に正直なる丹次郎と云へる無比の農夫侍り、 九月二十八日の暮方、大塚の松原に出で、薪にとて松の葉を掻集ける折節、大地いちじるしく震動し、忽ちに二本の名木生山其上に五色の雲靉ひき金色の光照当、雪降下り風烈し時に、一人の童子忽然と現れ丹次郎に向て曰、 我是淀姫の神霊也、汝か無比の真を感し今爰に垂跡の宿縁尤も深し宜しく崇め奉るべしとの玉ふて、様々神変を現し打失ぬ、 丹次郎不思議の瑞相を拝み、領主小寺左衛門安利に云ふ、 左衛門此瑞相を深く感じて、頓て彼丹次郎を召具し上洛参内して始終の霊験ども一々に奏聞す、 皇帝御叡感不浅即勅願御建立之綸旨を被下る、 左衛門悦び下りし後頓て数の社堂を造立し玉ふ