現在の祭神 |
天御中主尊・大己貴命 [合祀] 天照大御神 |
「埼玉の神社 入間・北埼玉・秩父」
星宮神社
名栗村上名栗217-1(上名栗字宮ノ平)
歴史
当社縁起によると創設は後鳥羽天皇の時代元暦年間のこととされている。
これは源平の争乱に当たり、秩父地方では畠山氏重忠が頼朝の旗下に入り、勢威を増しつつあった時期で、名栗谷が鎌倉と秩父を結ぶ通路の一つとして重要性を増していった時代でもあった。
当社の創立と社号の由来について『風土記稿』に「往古天より降る星精を祀ると云」とあり、これは妙見信仰にかかわるもので古社なればこその伝説と考えることができよう。
社記によれば後土御門天皇の時代、応仁元年、小野中将藤房の一行が和歌修行に関東へ下り、鎌倉から信州更科方面へ向かう途中当社に参詣し、社号の星宮が珍しいと心に留め、翌年雑掌を派遣して山城国紀伊郡伏見より大己貴命を当社に分霊して妙見宮と称せしめたとある。
本殿は流造りで、寛文三年再建の棟札の写しから推して当時のものと思われる。
また、文永七年造と伝える御正体(37.5センチメートル)は、両脇を欠くが薬師三尊を鋳する優品である。
更に拝殿内にある木造の狛犬二基は、『風土記稿』に「古物なり」と記されているものである。