池尻神社 兵庫県丹波篠山市町ノ田 旧・村社
現在の祭神 木花開耶姫命・大山祇命
[合祀] 少彦名命・素盞嗚命
本地 薬師如来

「大山村史 本文編」

宗教生活と文化[LINK]

○池尻大明神 町之田村に鎮座。岡山大明神ともいう。
祭神 不明 神格は山神であり、後社号の変化からも判明するように水神としても祀られたと思われる。 いずれにせよ自然神であり、木花開耶姫命・大山咋命・或は素盞嗚尊・少彦名命をあてるのは、それよりの転化であろうと考えられる。 元文二年正一位の神位を吉田社家より得ている。
[中略]
 神仏混淆 ところで近世においては神道と仏教とが密接な関係をもっていて、混淆されて信仰の対象となっていた。 本地垂迹、すなわち神は本地である仏が、衆生救済のため、かりにこの世に現れたもの、とする思想は、平安時代より拡まり、近世にも行われた。 大山においても祭神を本地仏にあてるのが多いのは、そのためである。 すなわち、一宮大明神(神田神社)―阿弥陀如来、池尻大明神―薬師如来、追手大明神―釈迦如来、味淵大明神―十一面観音、松尾神社―薬師如来、二宮大明神―大日如来、天神社―十一面観音、大歳大明神―正観音菩薩、稲荷社―大勢至などがその例である。 したがって、御神体に仏像が安置されていたという例もあり、それが、明治に入り神仏分離の行われるまで続いたのである。