生島足島神社 長野県上田市下之郷 式内社(信濃国小県郡 生嶋足嶋神社二座〈並名神大〉)
旧・国幣中社
現在の祭神
生島足島神社(上宮)生島大神・足島大神
摂社・諏訪神社(下宮)建御名方富命・八重事代主命・八坂刀売命
本地
上宮普賢菩薩
下宮千手観音

二本松康宏「諏訪信仰の変奏」

兼家系「諏訪の本地」の風景(二) ―甲賀三郎の子どもたち―

現在の本殿は境内の池の中島(神島)に北向きで鎮座し、その本殿と向き合って摂社の諏訪神社が祀られている。 社伝によれば、建御名方富命が出雲から諏訪へ向かう途中、当地にて生島大神と足島大神に奉仕し、その後、諏訪に入ったとされる。
[中略]
生島足島神社への改称によって、それまでの下之郷諏訪大明神は、上宮を生島社、下宮を足島社として祀るようになった。 このとき以後に描かれたであろう江戸時代の古図によれば、社域に諏訪大明神を祀る社祠は見られない。 諏訪大明神こと建御名方富命は、一時的ではあるが、姿を消していたのである。 同古図によれば、生島社の傍らには上宮の本地である普賢菩薩、足島社の脇には下宮の本地である千手観音が描かれている。