石倉比古神社 |
石川県輪島市町野町西時国 |
式内社(能登国鳳至郡 石倉比古神社) 旧・郷社 |
「能登国名跡志」乾之巻
又東に高山あり、岩倉山といふ、
海中指し出たる岨敷霊山なり
岩倉比古の神社立給ふ。
本地千手観音なり、
此本尊は輪島の光浦の沖に夜々光る物有、
白雉二年不思議ありて漁父の網にあがり給ふ霊像なり、
則別当は白雉山岩倉寺とて大寺なり、
山の半腹に有て村より十町余有、
又岩倉山とともいへり
「石川県神社誌」
鳳至郡時国村岩倉山鎮座
石倉比古神社 式一座
祭神 石倉比古神
今、天手力男命とす
[中略]
岩倉山は海崖に峙たる嶮岨なる石山にて、鳳至・珠洲南郡の交界にあり、
神社は山嶽の麓に小祠を存するのみ、
古来町野郷十八ヶ村の惣社にて、往古は頗る大社なる由伝言す、
貞享二年の由来書に、時国村岩倉比古神社は十八ヶ村の大社にて、毎年祭典の節、右村々氏子集来、神事相勤古例なる由記載せり、
承応二年の神名帳入本に、岩倉山鎮座、本地岩倉観音、別当真言宗岩倉寺とあり、
安永六年の能登誌に、岩倉山は時国村より十町余登る近郷の高山にて、則石倉比古神社立玉ふ、
本地千手観音は、光浦の漁父の網に懸り上りたる霊像なりと云、
別当白雉山岩倉寺は、孝徳天皇の勅願所にて、往昔は町野一郷悉く社領にて大社なりしに、天正の頃兵火に罹り神殿仏閣廃絶の処、本地堂等再興すと云
「珠洲市史」第2巻(資料編 中世・寺院・歴史考古)
能登国三十三観音札所ならびに御詠歌[LINK]
第三十二番 輪島市下時国 岩倉寺(真言宗、石倉比古神社の別当寺で白雉山と号す。この観音は石倉比古神社の本地仏という) 千手観音立像
後の世の祈りもかなふ岩倉寺仏の光げにもときくに