上小倉神社 和歌山県和歌山市下三毛 旧・村社
現在の祭神 手置帆負命・彦狭知命
[合祀] 誉田別命(応神天皇)・伊弉諾命・伊弉冊命・須佐之男命
本地 薬師如来

「紀伊続風土記」巻之三十五(那賀郡第九)

小倉荘 下三毛村

○九頭明神社 境内周四町
 本社(一丈四尺一丈三尺) 脇宮(八尺六尺七寸) 御供所
  鳥居 鐘楼
村の東四町許にあり 下三毛上三毛山崎三箇村の産土神なり 九頭は即国主にして大国主神を祀る 脇宮は白山権現を祀るといふ 寛永記に古は神の来由を書せり巻物伝はりしに天正の兵火に社伝記録等焼亡し社領も皆没収せらる 後村民力を合わせて本社を再興すといふ 境内古松鬱蓊として殊に櫲樟欅の古木あり (享保の頃高野領調月村に奇性の説を偽作して古書なりといふ者あり 社家の徒これに欺かれて神名を改め唱ふる者あれとも皆無稽の言なれは一も信するに足らす 今皆改めて寛永記の説に従へり) 神主を原田氏といふ
  別当 神宮寺
宮の境内にあり 真言宗古義京勧修寺末なり 本地堂(本尊薬師)あり
明治43年、九頭神社に近隣の神社を合祀し上小倉神社と改称