神魂神社 島根県松江市大庭町 旧・県社
現在の祭神 伊弉冊大神・伊弉諾大神
本地
伊弉諾大明神阿弥陀如来
伊弉冊大明神十一面観音

「神魂社祝詞案文」

あおかき(青垣)山にふとしき(太敷)立、ち木(千木)高く、 かけまくもおそろしくいはゝれたまふいさなき(伊弉諾)の大明神のひのまなこ(日真名子)の御宇津の御宇津のひろまへ、御本地阿弥陀如来、 いさなみ(伊弉冊)の大明神の御うつのひろまへ、御本地十一面の観世音ほさつ(菩薩)の御うつのひろまへ、 伊勢の神のき、くまの(熊野)の大神のうつのひろまへ、と山(外山)の大神のうつのひろ前、 あめ(天)か下つきかためたまへるきなつき(杵築)の大明神の御うつのひろ前、 さくさ(佐草)の大明神のうつのひろまへ、 さた(佐太)の大明神のうつのひろ前、 ゆや(揖夜)の大明神のうつのひろ前、 ならひに五百ゆうよ(有余)の大小神のうつのひろまへに、 御くう(御供)御へい(御幣)御くた物(果物)び進(備進)し奉る、 あいみん(哀愍)納しゅ(納受)せしめたまへ、 右きねん(祈念)はてんかたいへい(天下泰平)、国土あんをん(安穏)、五こく(五穀)ふにょう(豊饒)、神ほう(神宝)はんゑい(繁栄)、禰内あんせん(安全)、大たんな(大檀那)武運長久、そくさい(息災)ゑんめい(延命)、子孫はんしゃう(繁昌)、殊は万民(安全)あんせん、諾願成就、かいりゃう(皆令)まんそく(満足)に、しゅこ(守護)せしめたまへ、さいはい(再拝)さいはい敬白

「神魂大社建立棟札写」(天正十一年十二月二十二日)

夫神魂大明神者、天神七代伊弉諾伊弉冉尊也、 (治天二万三千四十歳) 此二神、於天浮橋上、共議曰、 此下、豈無国乎、下御鉾、探蒼海原、無障物、指学御鉾、 滴凝一島、其島二神降居、始有男女之役先造大八十島、 次生草木、次生一女三男、為国主、自爾以降、移地神御代也、
[中略]
抑、伺御本地、十一面聖容之応作焉、 礼賛帰依之輩、信心恭敬之人、二求両願、皆満足、 三毒七難、悉遠離、依機見、不同趣、 普門利益、本地方便、超余神明者乎