鹿島神社 茨城県東茨城郡城里町高久 旧・村社
現在の祭神 武甕槌命
本地 観世音菩薩

「鎮守帳」

高久村
○鹿島明神社高一丈
表一丈七寸五分
妻一丈二尺八分
板葺 渡辺丹後
 △神体観音(上ル。) 并要名除(悪路王)ノ首モ上ル。
  前殿長三間
横二間

「新編常陸国誌」第六巻(村落)

鹿島明神(高久)[LINK]

〔鹿島明神〕 神殿板葺、高一丈、表一丈七寸、妻一丈二尺、 神体は観音并要石、 前殿萱葺、長三間、横二間、 社領一石六斗、 社司を渡辺氏と云ふ、 社中に悪路王の頭形あり、 延暦中悪路王、奥州の速谷窟に居て、国民を悩せり、 俗説には、神代鹿嶋明神、この悪路王を伐玉はんとして、本国小勝村にて退治せられ、其戦に勝し故に、其地を小勝と名け、それより本村にご休息あり、依て鹿島社地に休塚あり、 さて悪路王の頭形は厨子に入て、内陣にこめ置く、 面貌すさまじき首なり、 又此社に丈六尺程の夜叉神二体あり、其古さ朽てしやれたり、 然るに鹿島の本社に夜叉神あり、要石あり、 此社にも要石と云ふを、田中より掘出したること、全く鹿島の移しなりと云ふ伝ふるも由ありてきこゆ、 悪路王の頭形と夜叉神は同作なるへしと云へり、 西山公よりこの頭形の切口へ、悪路王頭形、年久敗朽、今新彩飾、安座常州高久村安塚之社中云、元禄癸酉年と記し給へり