糟嶺神社 東京都調布市入間町2丁目 旧・村社
現在の祭神 糟嶺大神
本地 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之百二十七
(多磨郡之三十九)

入間村

糟嶺明神社

村内の鎮守なり、 本社南向、 纔に三尺五寸四方、 神体木の立像にて束帯なり、 本地十一面観音は明照院の境内に置り、 本社には三間に三間の上屋をなせり、 社頭には古松立り前に二十九級の石階を設く、 当社鎮座の始はたしかに伝へされど、寛永六己巳年九月二十九日と記せる棟札あり、この頃の鎮座なりや、もしくは古棟札をば失ひて、此時の再建なるや、今よりしるべからず、 例祭九月なり、村内明照院の持、
末社 天満宮 稲荷祠 纔なる祠にて、何れも本社の右にあり

明照院

大悲山観音寺と号す、 天台宗、東叡山の末、 開山秀海永禄十二年五月二日の示寂なり、 客殿は東向六間半に八間半にて、三間に一間の向拝をつけたり、 本尊弥陀木の坐像一尺余恵心の作を安置せり、
観音堂 客殿の東にあり、 堂二間半四方北向、 十一面観音木の坐像長二尺許、作はしれず、これ糟嶺明神の本地仏なりと