香取神社 埼玉県春日部市一ノ割1丁目  
現在の祭神 経津主命
[合祀] 宇迦之御魂神・事代主神・武御名方神・菅原道真
本地 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之二百六
(埼玉郡之八)

市野割村

香取社

村の鎮守にて円福寺あづかれり、 村内にわづかの堤あり、 当所にては其名を唱へざれど、粕壁宿の辺にては江曾堤とよべり、 此社古へ其堤の上にありしを、前にいへる井上将監及び大熊弾正などいへるもの、力を合せ当所に引移せりと云、 文禄元年円福寺の住僧祖岌が書せし縁起あり、 其略に当社元新方領の惣鎮守にて、本地十一面観音は行基の作なり、 昔享徳三年末太郎といへるもの、奇異の霊護を蒙り、鰐口を寄進せり、 又平方村林西寺中興呑龍和尚立願せしに、霊験ありしことなど、 こまごまに書つゞれど、させる証とすべきこともあらざれば、其要を摘てこゝに録す