香取神社 埼玉県久喜市伊坂  
現在の祭神 経津主命
本地
香取大明神聖観音
愛宕権現勝軍地蔵

「埼玉の神社 大里・北葛飾・比企」

香取神社

  栗橋町伊坂843(伊坂東)

歴史

 創建については判然としないが、手掛かりとなる記録として二枚の棟札が残っている。 一枚は「元禄來丙子天(1696)九月吉晨」の年紀のあるもので、「奉造立宝治戸村愛宕堂為所繁昌万民快楽也 本願主経蔵院住法印来昌」と記されている。 もう一枚には「寛延四辛未歳(1751)、奉建立香取大明神本地正観音社頭安全祈繁昌処法主□栄武州葛飾郡伊坂村宝治戸氏子中」とある。 更に、『風土記稿』に「香取社 経蔵院持、末社愛宕」との記載がある。
 これらにより、元禄年間には「愛宕堂」が存在し、寛延年間には当社が鎮座していたことが確認でき、更に、文政年間(1818-30)には、愛宕社が当社の末社になっていたことがわかる。 当社を管理していた真言宗経蔵院は、山号を愛宕山としていることから、あるいは先に愛宕堂が祀られていて、後に当社を祀ったものとも考えられる。 愛宕堂は現在、明治四十年に建てられた三間社流造りの本殿に、香取神社・八幡神社と共に愛宕神社として奉斎されており、その内陣には勝軍地蔵像が奉安されている。