香取神社 埼玉県春日部市下柳 旧・村社
現在の祭神 経津主命
本地 十一面観音

「埼玉の神社 大里・北葛飾・比企」

香取神社

  庄和町下柳369(下柳字森田前)

歴史

 創建は、古名主と呼ばれる石川正治家の土着と共にあると伝える。 石川家の先祖は、「家系図」によると、松伏村の豪農、石川民部に次男である甚左衛門で、正保年中(1644-48)に当地に移住し一家を成した。 当社はこの時、石川家が氏神として祀ったといわれ、祭りも初めは同家を中心に行なっていたが、当地の開発が進み、村人が増加するに従って村鎮守として祀られるようになった。
 また、二代目の六良左衛門は、名主を務め、延宝八年(1680)には当社の別当である真言宗神護山明清寺を建立している。 明清寺は、当社から西に200メートルほど離れた所にあり、石川一家は同寺の檀家となっている。
 当社に残る別当の記録は、内陣に奉安されている十一面観音像懸仏銘文「名主石川六郎左衛門 下総国葛飾郡庄内領下柳村 森田・田中(梵字)香取大明神正体造立之 元禄十六癸未(1703)天十一月吉日大小氏子別当明清寺」と境内の宝暦元年(1751)の庚申塔銘文「明清寺住法印尊信」がある。