香取神社 埼玉県幸手市惣新田  
現在の祭神 経津主命
本地 十一面観音

「埼玉の神社 大里・北葛飾・比企」

香取神社

  幸手市惣新田6229(惣新田字菱沼)

歴史

 創建は、社伝によると天正五年(1577)九月十五日のことであるというが、その史料を欠くため、詳細は不明である。
 当社には社殿が三殿祀られている。 このうち向かって右側にあるものは、本地仏の十一面観音(全高46センチメートル)が安置されている旧本殿で、明治期以前の建立であるという。 また、明治初年の神仏分離に際し、新たに神体として鏡を奉安するために建立されたのが中央の現本殿であると伝える。 更に、左側の社殿には石棒と金幣が納められているが、その社名や由来については不明となっている。
 当社は明治初年まで隣接していた三学院の管理を受けていたと思われる。 三学院は『風土記稿』に「当山派修験、伊勢国世儀寺末、香取山と号す、本尊不動」と載せている。 その跡地は、当社の境内として合併され、本堂は社務所として使用されていたが、傷みが激しくなったため、昭和三十七年に取り壊し、新たに三田部落集会所を建てた。 その後、集会所も老朽化したので、更に、同六十一年には三田会館として建て替えている。 なお、三学院の本尊であった不動明王像ほか二体の仏像は、現在、三田会館に安置されている。