香取神社 埼玉県幸手市惣新田字高須賀  
現在の祭神 経津主命・武甕槌命
[合祀] 菅原道真 <天神社>
本地
香取大明神十一面観音
鹿嶋大明神十一面観音

「埼玉の神社 大里・北葛飾・比企」

香取神社

  幸手市惣新田2586(惣新田字高須賀)

歴史

 当社の鎮座する高須賀は、高須賀村(現幸手市大字高須賀、当地から約5キロメートル北西)の出村として開かれ、惣新田の西に接していたところから、惣新田高須賀村とも呼ばれていた。
[中略]
 口碑によれば、本村および当地の開発は、弘治元年(1555)に、美濃国高須城主の三男鈴木三郎高俊が移住して来て行なったものと伝えられており、高須賀の地名は、その出身地の高須にちなんだものであろう。 この口碑を裏付けているのが当社の内陣に安置されている二面の十一面観音像懸仏(直径19センチメートル)である。 その銘文によれば、一方の懸仏は「香取大明神」、もう一方は「鹿嶋大明神」のもので、両方共に奉納者並びに年紀は「本願浦五郎三郎 弘治三丁巳正月二十五日」となっており、口碑に伝えられている村の開発の年代に符合する。
 これらのことから、当社は恐らく、村の開発後まもなく、その繁栄と安泰を願い、大社で武神として名高い香取・鹿嶋の二柱を勧請して祀ったことに始まるのではないかと考えられる。