勝手神社 滋賀県蒲生郡竜王町岡屋 旧・村社
現在の祭神 受鬘命
[配祀] 若宮神・八王子神
本地 十一面観音

「近江・若狭・越前 寺院神社大事典」

勝手神社

 岡屋集落の中央にある。 祭神は受鬘之神など。 正和二年(1313)四月の勝手神社の定置札写に「岡屋」の名がみられる。 応永七年(1400)八月二十二日の棟札(社蔵)には「岡屋大明神」とあり、また近世には勝手大明神とも称された(輿地志略)。 社伝によれば、草創は貞観元年(858)のことというが、年未詳の棟札写(社蔵)には「天平中ニ神紀与二つニわかれ祭礼村座東西初リ」とあって、奈良時代の創建を伝える。 正和二年からは東村・西村に加え、新村・今村・法所の五座で祭祀を執り行った(応永十六年定置札)。 古くは祖父川西方、明神ヶ谷に祀られていたが、水難に遭い現在地に移ったという。 本殿は三間社流造・檜皮葺で、応永七年の建立とされ(棟札)、国指定重要文化財。 また現在吉祥寺観音堂に祀られる十一面観音像は同社本地仏であったとされる。