木曽三社神社 群馬県渋川市北橘町下箱田 旧・県社
現在の祭神 須佐之男命 <阿礼神社>・宇気母智神 <岡田神社>・彦火火出見命・豊玉姫命 <沙田神社>
本地 千手観音・地蔵菩薩・虚空蔵菩薩

「木曽大明神縁起」

抑正一位木曽大明神と申奉るは人皇五十六代清和天皇の御流前陸奥守鎮守府将軍源義家公曽孫征夷大将軍従四位下源義仲公守本尊也
[中略]
義仲公御城跡に南宮大明神と申奉るは義仲公御盛之時は守本尊と奉崇して今は御留守之明神と奉拝
[中略]
其頃幼君成今井土佐弟筑後郡南学院も遖成 武勇を顕し戦場より信濃に下りへん名してしのひ居る三人の夢に我義仲公繁生のときは守本尊と敬はれしか今は南宮とも不被申またかまくらのせん義もきひしく汝等身の上も心元なし幸ひ上州の中程に霊場あり山しつかにして水清し我今より彼所に行き四方の五穀蚕業と安産を守護すへし汝等我に付添行は自ら道ひかん[導かん]と三夜同しに夢見けれは余り不思議に談合し御神躰を七重の御箱に納めおひ奉り山越にて飯田に出て此処にて人をもとめ御箱を負はせ和田峠碓氷を越島名辺に来り 今其由縁にて箱田といへる処にととまり暫く其所かしこほこらなしけるふしきや 又も霊夢にて猶山奥へ立退へしとの御告を蒙り赤城山中こころさし利根川を渡て行程に老木しける谷間より清きまし水噴出て玉たれかと思ふ斗りなる美しき滝有しはしと石に御箱をおろし腰打かけて休む内御箱俄に重くなりせひなく側の不動堂に一夜明し次の日又おひ出て奉らんとすれと中々に岩ばんぢやくの如くなりぬ 四人のもの神意を畏み奉り夫より仮宮造り御箱を安置し山野をひらき田畑作りて住居る内しだいしだいに近郷に聞へ参詣の人甚多し  扨御神躰は如何ととへは実をかくしはこたはこた何只之箱たと斗申故箱田明神とあかめ郷名も箱田只箱田と申因縁也
[中略]
木曽大明神本地は千手地蔵虚空蔵是三躰也 故に三社大尊神と奉拝