小宮神社 東京都あきる野市草花 旧・村社
現在の祭神 伊邪那岐大神
本地 文殊菩薩

「新編武蔵風土記稿」巻之百八
(多磨郡之二十)

上草花村

小宮明神社

小名門前にあり、社領七石の御朱印を附せらる、 村内の鎮守なり、 本社は七尺に九尺、拝殿二間に四間、南向なり、 祭神伊弉諾尊にて、本地文殊の木像を神体とす、長七寸ばかり、 里人の話に当社は、小田原北條の家人小宮上野介憲明と云もの勧請せり、 この憲明は小宮十八騎のその一なりといふ、
[中略]
例祭年々十二月廿五日、餅ねりの神事あり、 その日より別当大行寺へ不浄に触たるものは入ことを許さず、住僧はもとより潔斎す、 同二十八日幣帛を奉り、則かの餅を供す、 僧のものいみは正月に至る、この内浄不浄によりて奇瑞ありと云、 又九月廿五日大般若経を転読せりと、 前に石階三十一級あり、是を登りて鳥居二基をたつ、 拝殿の額に思無邪の三字を扁す