胡宮神社 滋賀県犬上郡多賀町敏満寺 旧・県社
現在の祭神 伊弉諾尊・伊弉冉尊
本地
東座薬師如来
西座虚空蔵菩薩

「日本の神々 5 山城・近江」

胡宮神社(櫻井勝之進)

 多賀大社の南方約2キロの所に鎮座し、同社と同じく伊弉諾尊・伊弉冊尊を祀っている。 しかし祭神については次のような近世の異説がある。
 一、多賀社は伊弉諾尊で胡宮は伊弉冊尊、すなわち『延喜式』の多何神社二座とは両社の併称であるとする『諸社一覧』その他の説。
 一、胡宮社は多賀の末社の一つで「国勝事勝長狭尊、亦名塩土翁、伊弉諾尊之子也」としながらも「或号胡宮両社」と記す『多賀大社本末神名記』の説。
 一、事勝国勝長狭尊として「伊弉諾尊之御子にして御座」と一神のごとくいいながら、「宮之作、一社之内に両社を構」「御本地東之方は薬師如来、西之方は虚空蔵にて御座也」と、二座ともとれる記述をする『多賀大社儀軌』の説。
 とくに最後の説ついていえば、当時多賀社は祭神を一柱とし、無量寿仏と称する阿弥陀如来一躯を本地堂に安置していたので、胡宮をその御子神とする場合、一柱とせざるをえなかたのであろう。 しかし胡宮社は本地が両菩薩で社殿も「両社」を構えていたというのだから、通説のように多賀社と同神の二座とみるのだ妥当であろう。