小動神社 神奈川県鎌倉市腰越2丁目 旧・村社
現在の祭神 健速須佐之男命・建御名方神・日本武尊
本地 十一面観音

「新編相模国風土記稿」巻之百五
(村里部 鎌倉郡巻之三十七)

腰越村

八王子社

守鎮とす、 幣殿・拝殿あり、 社地を小動と云ふ、 本地仏十一面観音(銅像長四寸)を安ず、 牛頭天王・歳徳神を合祀し、三神社の額を扁す(今の領主の筆) 縁起に據るに文治中佐々木盛綱の勧請と云ふ、 毎年正月十六日を祭期とし、六月十四日には天王の祭事を行へり、 境内社後に至れば翠岩丹壁峙立して海中に突出し頗勝地たり、 別当は村内浄泉寺兼管す、 神木銀杏樹あり(周回五尺九寸)
[中略]
△末社 稲荷 金毘羅 天神 船玉 第六天 山王 十羅刹 弁天 宇賀神
△小動松 浄泉寺略縁起に弘仁中、弘法小動山に登り一七日護摩を修せしに満日当山の松樹に神女影向あり 小動の松と云ふ是なりと記し、又文治中佐々木盛綱当山に詣で老松樹の辺に至るに此松平日風なきに、枝葉靡き動く、其妙音恰も琴瑟の如し、天女遊戯の霊木なり、此故に此松を小動の松と号すと記せり (【鎌倉志】には、山の端に、海辺へ出たる松あり、風無に常に動く、故にこゆるぎの松と云ふとなりとあり)