上河内西谷村にあり。 相い伝う。 円融院御寓、国司勅に依りて、熊野社河内庄に勧請す。 いわゆる、本宮〈当社〉新宮〈下河内村に在り〉那智〈上河内下村に在り〉これなり。 [中略] 社僧は円通寺と曰う。
当寺は上河内村にあり。 府を去ること四里半。 王子権現社と与に、永観帝の建つる所なり。 [中略] 阿弥陀堂 或は本地堂と号す。 王子権現の本地寂光教主、故これを建つ。