熊野神社 東京都新宿区西新宿2丁目 旧・郷社
現在の祭神 櫛御気野大神・伊邪那美大神・天照皇大神
本地 聖観音

「新編武蔵風土記稿」巻之十一
(豊島郡之三)

角筈村

熊野社

十二所権現を勧請せるを以て此辺の地名を十二所と呼ふ、 本地正観音なり、 別当は多摩郡本郷村成願寺なり、 縁起に云、応永の頃鈴木九郎某と云もの紀州藤白より中野の郷に来住す、 鈴木三郎重家の子孫にて、殊に若一王子の祠官たる余胤なり、 依て仮の小社を創建して、先若一王子のみ勧請しけるか、同き十年宮社を再造して十二所の神悉く備れり、 夫より日夜崇信おこたらさりし験やありけん、終に家富み倉庫軒を並へて栄名あり、よりて郷民挙て中野長者と称す、 其後遥の星霜歴て、僅に里長某か進退せる社なりしを、日頃崇敬の余り菩提寺成願寺と議し、且村民共に願上て享保年中成願寺奉祠の宮となせしより、更に修造を加へて旧観に復すと云、
[中略]
末社 稲荷