黒尾神社 宮崎県都城市梅北町 旧・村社
現在の祭神 伊邪那美命・火産霊神・金山彦神・金山姫神
本地 勝軍地蔵

「三国名勝図会」巻之五十八

黒尾権現社[LINK]

梅北村、益貫にあり。 奉祀愛宕(本地勝軍地蔵)。 承和三年、齢岳公、勧請し給ふ。
初め伊東、相良、北原の三家、薩隅日の城主凡六十三人を誘ひ、北郷讃岐守義久が都城を攻む。 永和三年二月中旬、齢岳公、志布志より軍を発して、来り救ひ、梅北天ヶ原に陣す。 時に西生寺脇坊井上坊をして、愛宕に祈願し玉ふ。 敵と蓑原に戦ひ、三月朔日より三日に及ぶ。 敵終に敗れて、財部下財部村に退く。 公、勝利を得玉ふ故に、愛宕を此に勧請して、黒尾権現と称ぜらる。
○医王山新山寺勝軍院 梅北村の内、寄地にあり。 当邑西生寺の末にして、真言宗なり。 承和三年、齢岳公、黒尾宮を御建立の時、新山寺といへる廃寺を再建して、勝軍寺と改称し、勝軍地蔵を御勧請にて、黒尾宮の座主とし玉ふ、即此なり。