真清田神社 愛知県一宮市真清田一丁目 式内社(尾張国中嶋郡 真墨田神社)
尾張国一宮
旧・国幣中社
現在の祭神 天火明命
本地 地蔵菩薩 大日如来

「神道集」巻第三

熱田大明神事

尾張国の一宮は真清田大明神これなり。 本地は地蔵なり。

佐分清円「真清探桃集」巻之第一

 正殿 国常立尊
兼熙一宮記云、大己貴命也、
[中略]
当宮正縁起云、人皇十代崇神帝、朝自王城当東方、紫雲靉靆、聯連于天、充満于地、而国土変紫色也、 帝遥眺望之、即勅占者詢卜焉、 占者勘奏曰、此紫気現前者、惟即天墜之元本主圀常立尊降座於此地、可崇奉豊秋津大八洲宝祚鎮護神、妙霊之前瑞耳、 帝因占者之辞、仍簡勅使、斎敬而下向於此地、窺覩神区、青桃之丘山、東西有龍窟、 于時就紫雲靉靆之地、雨六葉若松三本、 有一老翁、而導勅使諭曰、此地惟万代不易、大祖尊神鎮座之霊区也、将留此松一本而植於此地、 勅使帰於京師、而其神地之異霊、且神厳表著明者、一一達天聴、 帝大有叡感、而即命百寮、此地下津岩根経営八尋宝殿、設天津高坐、于爰奉祭大神魂、 此時霊妙有鳥居形雲、而降大宮之後、竝建三所、因茲社後三鳥居、 凡諸社之鳥居、皆在神前、唯当社、建後者、一依此神候矣、 尊神鎮座之時、乗八頭八尾大龍、以当国割分於八郡者、亦因此八尾候、 八尾各備剣、即祭此魂、崇当宮之武神、 此時帝為大神、定御厨神部、分職乎四列、授真清田姓賜名、 俾是与四時之祭祀、別又置八職、令雑掌其傜役等事、 即勅曰、限尾張国非一宮、総惟可称日本第一宮者也

巻之第二

四所別宮
第一
 三明神宮(号印珠宮) 本宮荒魂
神記云、此社秘蔵三種明珠、故号三明神宮、又曰三明宮、或称三明珠宮、御鎮座之初、携持両個霊壺、是号甘露法薬壺、
按、三明者此社神秘号、大神曾持真清霊鏡降座、所以奉称真清田、此社亦秘此三種玉之故、崇三明宮或三明珠宮、便尊神荒魂、
[中略]
第二
 七代宮 天神七代神魂
大宮坤方五十歩、在三明神南、国狭槌・豊斟渟・泥土煮・沙土煮・大戸之道・大苫辺尊・面足・惶根・伊弉諾・伊弉冉尊、本宮魂統合十一尊、崇七代宮、 神代巻曰、自国常立尊迄伊弉諾・伊弉冉尊、是謂神代七代、即在此地奉称第二別宮、
[中略]
同第三
 西神明社(一名神戸神明) 天照大神幸魂
楼門坤方数十歩、在神部地、是第三別宮、 対浜社者、一神分魂咫尺於左右、輔弼大宮、即不可偏廃之故、奉崇東西神明者、在昔神官以下数多区宇於此地、以得此名者歟、
[中略]
 東神明社(一名浜神明) 天照大神奇魂
大宮東方二百八十余歩、在神明江渡地、是亦第三之別宮、 在於東之一神也、其地号神明津、或呼神明渡、
[中略]
咫尺于此社、有金剛寺旧地、今属福寿院、 古老云、往年此竹林中得一古仏像、光跌皆亡矣、面貌亦毀敗、故不知為何等像、今在福寿院、 寺僧云、可阿弥陀像、又云、正観音乎、二説未訣、 然不出竝両像間者、即此社之本地仏、可金剛寺之本尊、 誌次章薬師仏亦此類耳、且其旧地属彼寺、則金剛寺者乃空海等所創建乎、福寿院真言宗、
[中略]
第四
 大神神社(一号西天王) 素盞鳴尊幸魂
大宮西五百歩外、在有合地、式神名帳曰、当郡大神神社(名神大)、国内神明帳云、従一位大神大名神、 当国津島牛頭天王旧記云、素盞雄尊、神蹟見神代巻、 一神分魂坐左右、毘輔大宮、与東西之神明一般之神故、第四別宮、在右之一神崇大神天王、亦称西天王、
[中略]
曾閲光徳寺薬師仏旧記(寛文年中住僧義澄作)、在昔空海依大神霊夢、晨歩幡川之上、峕有一異木、浮漂于水上、海乃携之来、彫薬師像、一躯成无欠余、因号有合之薬師、爾後為地名、爰創一印安置此像、 経歳罹水災、坊舍罄流漂顛覆、是以徒像於此地(光徳寺)、尚因旧名、称有合薬師、 予一日往視彼像、其長可二尺、以薄黒木彫之、些不加藻絵、威容端厳、可謂妙手也、 按、往昔海来此地、斲薬師之二像、附両天王地、且由瑠璃光名、別加福徳二字、以名二院名、光徳・光福是乎、
[中略]
 東天王(一号花祇天王) 素盞鳴尊奇魂
楼門東南五百歩許、在石野中花祇地、同第四別宮、在東之一神也、
[中略]
東福寺薬師仏旧記云、昔空海彫此像、安置石野寺中、 廃寺之後、棄捐在民家、一夕有霊夢、安東福寺、今石野之内、 考其事跡、无他、即光福寺之旧像矣、 空乃彫之、託於東西両社之一躯、端好亦略同有合之像也、
[中略]
摂社
其一
 山王神社 大己貴命
山王神号及神徳、見日叡社記・神代巻等、 古在楼門西腋、今剣正寺地是也、 考神記、伝教奉延暦帝勅来日、建此社乎、 視旧図、南開神路、置鳥居、対八幡社、西有三級宝塔、而安置薬師仏像、塔併澄造之乎、 昔楼門之前左右、有此両社、羽翼大宮、
[中略]
其二
 新八幡宮 応神帝霊魂
八幡神号、垂跡之事実、載公事根元・神社考・託宣書等、視図、 自古在楼門前南腋、与山王社左右相翼、 神記云、源予州(頼義)奉東征之命、下奥州之時、捧幣祈当社、凱旋之日、此社造、号白旗新八幡、是九月二十九日也

巻之第三

古末社
本宮左列(十二社)
 八百社(本地大日) 一番
統挙衆神之号乎、又八百日魂者乃五臓之神、越之前州敦賀郡有八百比咩社、依右列、則百鏡神尊歟、 鏡神名在外宮末社三十二神之内、又兼右六十四神式、作百々神尊、
 国玉明神(大日) 二番
国内神名帳曰、海部郡従二位国玉明神、同神歟、[略]
 一神社(大日) 三番
高皇産霊歟、熱田有一神御前社、
 陰神社(迦葉仏) 四番
伊弉冉尊
 威光神社(五大力菩薩) 五番
 増倍神社(千手) 六番
是等之神名不可考、以下无証之者不加筆焉、
 天潜神社(釈迦) 七番
天潜尾神、三十二神之内也、
 風穏神社(弥勒) 八番
風神級長津彦・級長津姫命、出神代巻、
 本〓(a)神社(正観音) 九番
本〓(a)、木魂、魚魯而句句廼馳神歟、出神代巻、
 水清神社(千手) 十番
水神罔象女・速秋津姫等神乎、出神代巻、熱田有清水社、同神歟、[略]
 〓(b)徳神社(摩利支天) 十一番
(b)字、書誤歟、
 日出神社(如意輪) 十二番
式、雲州出石郡日出社、大日霊神歟、

本宮右列(十二座)
 万社(尸棄仏) 一番
万鏡神社脱鏡神二字、六十四神式、作万万神尊、
 土宮社(地蔵菩薩) 二番
外宮土宮、大土神、一名土祖神大年神也、又神代巻云、土神埴安姫神、
 勢立神社(金剛手菩薩) 三番
 陽神社(薬師) 四番
伊弉諾尊、今楼門内有伊弉諾社、称白山、
 威徳神社(妙見菩薩) 五番
 妙見社(文殊) 六番
釈家云、妙見北辰名、[略]
 地潜尾命神社(普賢) 七番
三十二神之内也、
 山神社 八番
大山祇神、今四至内富士社乎、
 金竹社(樹徳菩薩) 九番
考左右、金山彦神乎、出神代巻、又神記、竹称金竹林、即尊神之愛物、故祭其魂乎、
 八龍神社(八体観音) 十番
神記云、八剣、八金剛、皆尊神分魂、祭之乎、[略]
 相光神社(毘沙門) 十一番
暦家有摠光天王号、称大歳神、出簠簋、
 月込神社(勢至菩薩) 十二番
込読音相近、故誤之乎、月読神見代巻、又込尾魚魯、然則天月尾神也、出六十四神式、

同左列(十二座)
 荒神宮(大日) 一番
旧事紀云、澳津彦・澳津姫二神、戸々所祀之竈神也、荒神亦同之、[略]
 福珠神宮(愛染明王) 二番
珠寿之誤、而大田命歟、[略]
 弁徳神社(千手) 三番
 衣食神社(地蔵) 四番
稚産神、出神代巻、
 船渡神宮(十一面) 五番
旧事紀云、伊弉諾尊投棄御杖、所生神、名衝立船戸神、
 俵蔵宮(毘沙門) 六番
宇賀魂歟、見御鎮座伝記、[略]
 諸才神社(妙音) 七番
 万福神社(虚空蔵) 八番
洛有福大明神号、見神社啓蒙、
 門福神社(薬王菩薩) 九番
豊磐間戸・櫛磐間戸神、出旧事紀、福守字乎、
 千光社(日光菩薩) 十番
千鏡神社歟、六十四式、作千千神尊、
 世界社(金剛力菩薩) 十一番
 大歳社(正観音) 十二番
依旧事本紀、素盞烏神御子大歳神、坐山城国乙訓郡、以上三社脱神字、
同右列(十二座)
 三宝荒神社(不動・大日・文殊) 一番
荒神者火神、音相通、三宝者日神霊徳之称也、[略]
 同尾命(眷属宮) 二番
三十二神之内、称尾命者、都十六神、然脱上両三字、神名難考、[略]
 鎰印徳神社(弁才天) 三番
国語、二十四両曰鎰、是蓋五字歟、
 車輪神宮(四大天王) 四番
 大黒天神宮(大日) 五番
大国霊神歟、又大黒天神者釈家之号、即梵曰莫訶歌羅、見南海寄帰伝及密家之書、
 米菩薩福宮 六番
菩薩衍字、福魂之字即米魂宮歟、米、尊神降膏沢乎民之霊穀、是祭其魂者、与金竹・稲葉等社同一義也、[略]
 万理安徳神宮(帝釈) 七番
 諸護神宮(地蔵) 八番
 井清社 九番
旧事紀云、御井神、一名木股神、大己貴神子、又御鎮座伝記云、天牟羅雲命一名天二神命、豊受御井神是也、[略]
 通耳神宮 十番
覚耳尾尊歟、三十二神之内也、
 通眼神宮 十一番
 勝手社 十二番
和州吉野山鎮座愛鬘尾命,三十二神之内、除神名挙社号者、以素盞烏・大己貴神社、為結夫・三葉、亦同一義、

中壇左列(二十座)
 餅津唐神社(吉祥天女) 一番
餅津御膳津音近、謬之乎、唐衍字、大田命伝云、保食神、一名御膳津神、[略]
 梅葉明神社 二番
葉魂之字、明神衍字、梅、尊神愛木、霊神者同前説、
 春立神社 三番
大己貴神子、若年神乎、見旧事紀、
 手力雄社 四番
常鹿島郡鎮座、見神代巻、
 金剛童子社(不動) 五番
金潜尾神歟、三十二神之内、童子衍字、
 赤木社(観音) 六番
式有上州勢多郡赤木社、
 下照姫社 七番
大己貴神子、見神代巻、
 姉子社(文殊) 八番
在諸社而称姉子社、祭神不同、神名帳、越丹生郡有兄子神社、
 鶏命宮(地蔵) 九番
命衍字、或は魂字歟、神記誌以鶏鳩為愛物、右列与鳩社同一意、
 星宮 十番
国内神名帳云、海部郡従三位赤星名神、今在富安庄河村、称星宮、同神乎、天忍穂耳尊乎、
 雨坪御前(千手) 十一番
当宮祈雨之主神大龍霊也、今夏日亢陽時、自群邑来雩、甚有霊応、坪可作壺、
 稲穂明神 十二番
衍明神、脱社字、七月七日吉祥祭、稲女蔵神稲之社乎、勢州稲倉神、八船命、是同一神歟、神名帳有稲実・稲葉神名、
 三葉社 十三番
同三輪、大己貴神、
 結夫社 十四番
在美州結夫邑、為伊弉諾・伊弉冉或素盞鳴尊、詠和歌者是也、言塵集、結夫婦為神、
 鎌輪御前 十五番
古秘祭田所用之斎鎌之社也、[略]
 祓殿神社 十六番
神祇令義解曰、祓者、解除不詳也、広韻云、除災求福也、瀬織津姫・速秋津彦・速秋津姫・速佐須良比売・本宮荒魂、都合五神称祓殿神、其神名出大田命記・旧事紀・中臣祓除等、在伊勢同一神、古在南門外、当百歩之西列、甚神秘之社也、神人以下皆先向此社禊除、而後入神門、[略]
 弓張殿 十七番
納御多羅支、
 笑林御前 十八番
 国富尾社 十九番
国加富神、漏加、衍尾、三十二神之内也、
 豊潜尾命 二十番
三十二神内、无豊神名、未詳何字魯魚、[略]

同右列(二十座)
 酒津唐神社 一番
豊宇賀能売神乎、見大田命記、又酒解・酒解子神、出神代巻、神宮古者有酒百子祭、
 梅宮 二番
城州有梅宮、然此社者梅魂也、此左右挙梅葉・梅宮両社、是蓋復出、因神記、桜梅皆愛木、左右之内、一者桜宮、而桜大刀自神、即天照大神分魂也,又神社啓蒙曰、洛有桜葉神明、同一神由之、則在左者桜社乎、
 秋祭御前 三番
秋姫命歟、見旧事紀、考左右列、若年・秋姫咸大己貴神子、兄弟対挙之者、
 八足夜叉宮(四大天) 四番
欠本名歟、
 八金剛社 五番
大龍神也、神記云、大神降臨時、乗八頭八尾大龍、又云、以大龍、崇八剣八金剛神、此地兵神而、尊神分魂也、
 四菩薩宮 六番
 玉涌姫社(愛染) 七番
 子安御前 八番
熱田有楠御前社、同社記云、一名、子安宮、与伊弉諾・伊弉冉同一神歟、
 鳩命尊(阿弥陀) 九番
説見前章、命尊者魂社之誤字乎、
 九曜社 十番
大日経一行疏、以日月水火木金土為七曜、合羅計二星、為九曜、又為九執、惟交会蝕神、計都飜旗、旗星者彗星、是亦欠本名、
 龍樹御前 十一番
 柏占御前 十二番
素盞鳴尊乎、名神記云、素尊登雲州熊成峯、為柏占、又津島天王社与柏宮同神歟、[略]
 御蔵元宮 十三番
伊勢大神宮調御倉者大宜津比女神、御稲倉者屋船命也、此地亦前俵蔵与此社将有其弁、
 妻神 十四番
 鍬開宮 十五番
印珠宮祭田所耕之以斎鍬、秘蔵於此社、待農時開而出之、[略]
 清殿 十六番
左右祓殿同一義、
 二鉾社 十七番
葉栗郡鉾塚村有逆鉾塚、伝云、秘吾神宮之神鉾、当社亦有故乎、
 御船殿 十八番
諸社大抵皆有御船設、邑北留四个船山遺蹤、又垂加云、船者心附之貌、御船代伝有秘訣、
 嶋渡御前 十九番
今神門内市杵島姫社乎、見神代巻、
 蛭子宮 二十番
蛭児命歟、見神代巻、
[中略]
浮屠
 東神宮寺
在御供所西南、神宮寺号、与聖武・孝謙二帝之創造、後世宗廟・社稷咸有焉、而小社不関、 中像阿弥陀、左右両腋観音・地蔵三像之由意、交本於本宮、 伝云、東西之像皆運・湛慶之作也、往々仏工来視之者、嘆其妙巧、運者定朝五世裔、湛者運子也、
 西神宮寺
在七代天神社北、同安阿弥陀像、視旧図、即有三像、後世廃左右二躳者乎
(a) しんにゅうに鬼
(b) 木へんに气

巻之第五

 金剛珠玉殿号
神記云、応神帝賜正一位光厳珠玉殿号、或曰金剛殿、又称金剛地、 同記云、大神降臨之頭、乗八頭八尾之大龍、又以大龍魂、名八金剛神、是即大神分魂也、 因御鎮座伝記、興玉神託曰、止由気皇大神、便日天子也、故曰金剛神、金剛者、是奉称陰神水徳之号、 両部家以此神、配金剛大毘盧舍那仏、毘盧舍那便大日也、由之、則光厳者金剛謬、吾尊神之別称也

「一宮市史」下巻

真清田宮御縁起[LINK]

何ナル神哉ト尋ネ奉ルハ、本覚本身毘盧遮那仏国常立、 是摩訶毘盧遮那一身万形所変シテ、 国土建立シテ、彼ノ国ニ結縁ノ衆生ヲ利生シテ、 仏果ヲ得セシム為也

尾州中島郡一宮御由来

末社次第

 玉殿 左方
八百社(本地大日) 国玉明神(同上)
一神社(前同) 陰神社(迦葉仏)
威光神社(五大力菩薩) 増倍神社(千手)
天潜神社(釈迦) 風穏神社(弥勒菩薩)
本〓(a)神社(正観音) 水清神社(千手)
(b)徳神社(摩利支天) 日出神社(如意輪)
 玉殿 右方
万社(尸棄仏) 土宮社(地蔵菩薩)
勢立神社(金剛手菩薩) 陽神社(薬師)
威徳神社(妙見菩薩) 妙見社(文殊)
地潜尾命神社(普賢) 山神社(虚空蔵)
金竹社(樹徳菩薩) 八龍神社(八体観音)
相光神社(毘沙門) 月込神社(勢至菩薩)
 左相殿
荒神宮(大日) 福珠神宮(愛染明王)
弁徳神社(千手) 衣食神社(地蔵)
舟渡神宮(十一面) 俵蔵宮(毘沙門)
諸方神社(妙音) 万福神社(虚空蔵)
門福神社(薬王菩薩) 千光社(日光菩薩)
世界社(金剛力菩薩) 大歳社(正観音)
 右相殿
三宝荒神社(不動・大日・文殊) 国尾命眷属宮(千手八部衆)
大黒天神宮(大日) 鎰印徳神社(弁財天)
車輪神宮(四大天王) 米菩薩福宮(二十五菩薩)
万理安徳神宮(帝釈) 諸護神宮(勝軍地蔵)
井清社(聖観音) 通耳神宮(薬寿菩薩)
通眼神宮(大通仏) 勝手社(毘沙門)
 中壇 左列座 次第
餅津唐神社(吉祥天女) 梅葉明神社(善財童子)
春立神社(釈迦仏) 手力雄社(金剛手菩薩)
金剛童子社(不動) 赤木社(馬頭観音)
下照姫社(楊柳) 姉子社(文殊)
鶏命宮(地蔵) 星宮(九曜)
雨坪御前(千手) 稲穂明神(金剛護菩薩)
三葉社(愛染) 結夫社(正観音)
鎌輪御前(月呂王如来) 祓殿神社(不動)
弓張殿(大力菩薩) 笑林御前(無量力菩薩)
国富尾社(不空成就如来) 豊潜尾命(弥勒菩薩)
 右列 二十所
酒津唐神社(宝積菩薩) 梅宮(白衣観音)
秋祭御前(福寿菩薩) 八足夜叉宮(四大天王)
八童子社 四菩薩宮
玉涌姫社(愛染明王) 子安御前(賀利帝母)
鳩命尊(阿弥陀) 九曜社
龍樹御前) 御蔵元宮(弁財天)
柏占御前(文殊) 妻神(如意輪)
鍬開宮(地蔵) 清殿(不動)
二鉾社(日光・月光) 御船殿(釈迦)
嶋渡御前(満月菩薩) 蛭子宮(阿弥陀)

(a) しんにゅうに鬼
(b) 木へんに氣

「塩尻」巻之七十六

○或問、近世民間六十六部とて回国す、如何なる寺社をか順礼するにや。 予曰、是近き比の野俗なれば、参詣の所もさだまらず、六十六ヶ所の寺社に、一部法花経を奉納し奉る。 其次は宝永四年東武旭誉が板行せし一幅に見へたり。
下野滝尾山(千手)  上野一宮(弥陀)  武蔵六所明神  相州八幡(釈迦)  豆州三島(釈迦)  甲州七覚山(同上)  駿州富士(阿弥陀)  遠州国分寺(釈迦)  三州鳳来寺(薬師)  尾州一宮(大日)  濃州一宮(薬師)  江州多賀(弥陀)  伊勢円寿寺(不動)  勢州朝熊岳(福方)  志州常安寺(正観音)  紀州熊野本宮(弥陀)  泉州松尾寺(千手)  勢州上太手(正観音)  和州長谷寺(十一面)  城州加茂社(正観音)  丹波穴太寺(十一面)  摂州天王寺(正観音)  阿波太亀寺(虚空蔵)  土佐五台寺(同上)  伊予一宮(正観音)  讃州白峯(千手)  淡路千光寺  播州書写山(如意輪)  作州一宮(釈迦)  備州[前カ]吉備津宮(弥陀)  備州[中カ]同上(同上)  浄土寺(正観音)  芸州厳島(弁才天)  防州新寺(正観音)  長州一宮(同上)  筑州宰府天神  筑後高良玉垂(釈迦)  肥州千栗(弥陀)  肥後阿蘇宮(十一面)  薩摩新田(弥陀)  大隅八幡(同上)  日向法花嶽(釈迦)  豊後由原(弥陀)  豊前宇佐(同上)  石見八幡(同上)  雲州大社(釈迦)  伯州大仙寺(地蔵)  隠岐託日(釈迦)  因州一宮(同上)  但州養父(文殊)  丹波成相(千手)  若州一宮(釈迦)  越前平泉寺(釈迦)  加州白山(弥陀)  能登石動山(虚空蔵)  越中立山(弥陀)  飛州国分寺(釈迦)  信州上諏訪(文殊)  越後蔵王権現(釈迦)  佐渡小比叡山(正観音)  出羽湯殿山  奥州塩竈(釈迦)  常州鹿島社(同上)  下総香取社(十一面)  上総一宮  阿波清澄寺(虚空蔵)
右の内にても亦霊なる所を順礼するもあり。 山城にて八幡、清水、大和にて東大寺、興福寺、法隆寺にて納経す、尾州にて熱田国府宮寺定たるもあり、国々にて其志す寺社に納め侍るとぞ。