水分神社 滋賀県大津市栗原 旧・村社
現在の祭神
水分神社天水分神
末社・八幡神社応神天皇
末社・峰神社比良神
本地
八大龍王明神馬頭観音十一面観音
八幡宮阿弥陀如来
峯権現十一面観音

「日本の神々 神社と聖地 5 山城・近江」

水分神社(小栗栖健治)

 祭神は玉依姫命。 近世には龍王明神社・八大龍王と呼ばれていた。 慶応四年(1866)の『栗原村御宮御真体書上帳』には祭神の本地を馬頭観音とし、次のような境内社を挙げている。 八幡宮(本地阿弥陀如来)、天神宮(本地菅相丞像)、松之宮(以下御幣)、今宮、大将軍、岩神、大己貴命、峯権現(菅家神像)。 また『栗原村万覚帳』では、八大龍王明神は十一面観音、白山権現(峯権現)は十一面観音となっている。 八大龍王明神の勧請年代は不詳とされるが、弘安十一年(1288)再興の棟札が伝来する。 峯権現は本殿左方の小祠に祀られ、現在は峯大神社と称している。 これは比良山系南部の権現山(996メートル)の頂上に祀られている小祠(峯権現)の里宮であり、山頂の小祠を村人は「権現さん」と称している。