長良神社 埼玉県羽生市本川俣  
現在の祭神 大国主命・事代主命
本地 観世音菩薩

「新編武蔵風土記稿」巻之二百十五
(埼玉郡之十七)

本川俣村

長良明神社

村の鎮守なり、 当社は元上野国邑楽郡瀬戸井村にありしが、天正三年利根川洪水の時、当所へ流れ来りし故、土人取上て翌年三月二十日社を造りしとなり、 祭神は長良親王の由にて、束帯の坐像なり、 今按に上野国瀬戸井村なる長良神社は、往昔上野国騒乱の時、大織冠鎌足七世の孫、黄門侍郎藤長良をして、鎮撫せしめしに、国大に治りし故、長良帰郷の後、家監赤井師助と云ものを留め、是を治めしめたり、 長良没後に及て師助国人と計て彼霊を神に祀り、直に長良神社と号すといへり、 是に據ば親王といへるは誤なるべし、 されど長良の上野を治めしこと国史に載せざれば、詳なることは知べからず、 或云【和名抄】上野国邑楽郡の郷名に、長柄あり、是地名を以神号とせるならんと、 此説当れる如く思はるれど、未だ其據を聞かざれば信じがたし、
別当大蔵院 本山派修験、葛飾郡幸手不動の配下
本地堂 観音を安置す