稲荷神社 埼玉県蓮田市根金 旧・村社
現在の祭神 倉稲魂命
本地 十一面観音

「埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉」

稲荷神社

  蓮田市根金436(根金字東浦)

歴史

 『風土記稿』根金新田村の項に「稲荷社 村の鎮守なり、法性院の持」とあるのが当社である。 別当の法性院は、足立郡別所村法光寺末で、開山僧真智は元禄十三年寂である。 口碑によれば、当社の創建は当村の草分けの九十郎が、別所村の稲荷社の分霊を勧請したもので、当所は、その子孫である内村家の氏神であったが、いつしか村人の信仰を受けるようになり、村の鎮守となったという。

信仰

 内陣には、鎌と稲把を携えた稲荷大明神像が奉安されている。 神像を納めた厨子の底部には「天明三(1783)癸卯九月二十□(梵字)奉造稲荷本地十一面観世音 武州埼玉郡岩槻領根金新田村 別堂宝性院法印春代」の墨書があり、往時、内陣には倉稲魂命の本地仏である十一面観音が奉安されていたことがわかる。 神仏分離によって、十一面観音がいずれかに移され、代わって、古くから当社に寄せられた作神の信仰にふさわしい神像を彫像し奉安したのであろう。 ちなみこの稲荷神像の作者は篠津村の立川金禄である。