相模国愛甲郡戸室邑 子神大権現略縁起并造立之寄附 抑当社子神大権現は、天津地開き初しより此所に宮柱太しき鎮座ましますなり。 竊按に、垂迹は毘伽羅大将おほけなくも御本地は釈迦如来なり。 されば大悲世尊は和光垂迹の形を現し国土を守護し給ひ、一切衆生を憐み給ふ事、吾か子のことくといへり。 故に衆生の願望として不叶といふ事なし。 爰に大檀那興津氏内記常照居士曾而武運御祈誓の旨趣により、慶長丁未春神田を寄附し宮室を造せ給ふ。