二宮神社 |
東京都あきる野市二宮 |
武蔵国二宮 旧・郷社 |
「神道集」巻第三
武蔵六所大明神事
二の宮をは小河大明神と申す。
本地は薬師如来なり。
この仏は東方浄土の教主、十六王子の最初なり。
「長弁私案抄」
勧進沙門運祐敬白
請殊蒙十方檀越恩施開八軸妙経印板施入武州多西郡小河郷二宮社頭六趣群萌播十方皆成妙益
[中略]
抑当社小河大明神者、当国六所随一、本地薬師如来之応迹也。
忝擺瑠璃界之浄場、武蔵野之草上垂迹露瀝々。
「日本歴史地名体系13 東京都の地名」
二宮神社
二宮集落の西方台地に鎮座。
武蔵国内第二の宮であることから二宮神社という。
祭神は国常立尊。
旧郷社。
神号は小河大明神ともいい、多西郡小河郷の鎮守であった。
[中略]
その後も二宮神社は周辺の信仰を集め、応永十九年(1412)十月沙門運祐は法華経八巻を開板して二宮社に奉納しようと志し、その費用を募る勧進状を深大寺(現調布市)の住僧長弁に依頼している(私案抄)。
長弁はこの勧進状に「多西郡小河郷二宮社」は「小河大明神」であり、「当国六所随一、本地薬師如来之応跡」と記している。
昭和四十七年(1972)の二宮神社発掘調査で高さ14センチほどの金銅製薬師如来像が出土。
同像は懸仏の一部の立像で、「私案抄」の勧進状の記述とも一致することから、小河大明神の御正体と思われる。
明治の廃仏毀釈に際して土中に埋納されたものであろう。
「中世諸国一宮制の基礎的研究」
武蔵国
Ⅱ 二宮
1 二宮神社。
二宮大明神・小河大明神とも。
5 中世における祭神は小河大明神。
本地仏は薬師如来。
6 不詳。