熊野若王子神社 京都府京都市左京区若王子町 旧・村社
現在の祭神 国常立神・伊邪那岐神・伊邪那美神・天照大神
本地 薬師如来

奈良国立博物館[LINK]より

国宝 薬師如来坐像[LINK]

1躯
木造
像高49.7(cm)
平安時代(9世紀)

 京都東山の若王子社の本地仏と伝えられ、明治の神仏分離の際に民間に流れ、後ち国有になった像である。 伏し目の表情、なで肩で適度な張りと厚さの脚部など、落ち着いた気分が全体に漂う。 しかし、目や口の彫り込み、衣文線の鋭く自由な彫技は力強く、耳や足裏などにも生彩ある表現が見られる。 構造などは京都・東寺講堂の五菩薩像と近いが、よりまとまった観があるのは、東寺像より遅れおおよそ9世紀半ば頃の製作と考えられる。 また大阪・四天王寺阿弥陀如来坐像が最も近しい表現をみせる像として注目される。
 カヤの一材より蓮肉を含めて彫成し、内刳は施さない。 木心は蓮肉前方先端の中央にある。 これに木製の螺髪を植え付け、両手先を矧ぎ付ける。 蓮肉部では背面に二枚の光背様L型金具を取り付けていた痕跡があり、底部の一部が切り取られる。現在の八重蓮華座は新補。