大水上神社 香川県三豊市高瀬町羽方 式内社(長門国三野郡 大水上神社)
讃岐国二宮
旧・県社
現在の祭神 大山積命・保牟多別命(応神天皇)・宗像大神
本地
大水上大明神釈迦如来
八幡大菩薩阿弥陀如来
三嶋龍神地蔵菩薩

「二宮記録」[LINK]

一、讃岐国三野郡神田村二宮三社とは、八幡大神・大水上大明神・三嶋龍神也。
抑八幡大神と申奉は、人皇十六代応神天皇の御事也。 [中略] 昔此村の領主正光と申せし有。 八旬有余時、八幡大神、武士の形を現して老翁に対面し給ふ。 翁問て云、汝何人そや。 武士答て、我は八幡大神也。 此国の士農工商を守護せん為に、弓箭を帯し顕るゝなりと。 翁大きに驚き、謹て申様。 我は此所の領主也。 先我宅に来臨したまへと請し奉りぬ。 其家に従来藤樹あり。 それより此藤は楝となり、白藤は壁となり、青藤は籬となり、黄藤は屋を覆て、真に妙の宅となれは、それより正光を藤樹公とそ申ける。 [中略] 正光子孫、縄々として此所を領し、末葉に至ては、代々当社の司となれり。 俗名又十郎、官名美濃守・但馬守也。 依之子孫代々其名を相続す。
一、爰に岩清水の清き流有。 其の流の下に大なる池ありて、龍神住給ふ。 いかなる旱魃にも池水かわく事なく、此龍神の体、一月十日づゝ白色・黄色・赤色の三色に変するによりて、三嶋龍神と号る。 一説には、龍の目、白・黄・赤の三色なれは、かく名つけ奉るとも申伝ふ。
一、大水上大明神は、尊号に依て考れは、水徳成就の御神にして、天一水を生して、五行の本源なり。 五穀豊穣を守護し給わんとの神号ならん。
[中略]
  敬白上棟第二宮
 八幡大菩薩  本地阿弥陀如来
 大水上大明神  本地釈迦牟尼如来
 三嶋龍神  本地地蔵菩薩
  (又宗像大明神とも奉号)

「中世諸国一宮制の基礎的研究」

讃岐国

Ⅱ 二宮

1 大水上神社。
5 大山積命、保牟多別命、宗像大神。 大水上大明神(本地釈迦牟尼如来)、八幡大神(同阿弥陀如来)、三島竜神(同地蔵菩薩)との説もある。
6 竜華寺。