王子稲荷神社 東京都北区岸町1丁目 旧・無格社
現在の祭神 宇迦之御魂神・宇気母智之神・和久産巣日神
本地 聖観音・薬師如来・荼吉尼天 十一面観音

「江戸名所図会」巻之五(玉衡之部)

王子稲荷の社

同(王子権現社)北の方にあり。 往古は岸稲荷と号けしにや。 今当社より出だすところの牛黄宝印にしか記せり。
本殿 倉稲魂命(聖観世音・薬師如来・陀枳尼天)。
本宮 十一面観世音。

「新編武蔵風土記稿」巻之十八
(豊島郡之十)

王子村

稲荷社

旧くは岸稲荷と号す、 こは村名の條にも云る如く荒川の流広濶なれはかく称せりと、 祭神食保姫命・稚産霊尊・倉稲魂命にて本地は正観音・薬師・陀枳尼天なり、
[中略]
本宮 今の本社後年造営ありし後、其まゝ立置るゝ宮なれは本宮と号せし、 神体稲を荷ふ老翁の像なり、 本地十一面観音をも安す、 こは本社遷座の後別に安置せるものといふ、
末社 弁財天 弘法大師の作、元宇都布坂の上にありしを、金輪寺三世宥雄の時爰に移せり、
白狐神 四所明神清滝明神合社