佐良早松神社 石川県白山市佐良 白山比咩神社の元・境外摂社
旧・村社
現在の祭神 鸕鷀草葺不合尊・菊理媛神
本地
佐羅宮不動明王聖観音毘沙門天
早松・並松普賢菩薩・文殊菩薩

「源平盛衰記」巻第四

白山神輿登山事

白山七所の其の中に、佐羅の早松の御輿を飾り奉り、本地は不動明王、悪魔降伏の忿怒の形、賞罰厳重の大明神也。

「白山之記」

又一の宝社あり。 佐羅大明神と名く。 本地は不動明王なり。 天元五年(壬午)始て宝殿を造る。 小社(普賢文殊)は早松・並松(米持金剛童子なり)なり。 台子の滝六所の御子あり。 本仏は大日如来なり。 長保元年(己亥)(二宇あり。五間二面なり。講堂一宇これを造り始む)。

白山七社本地垂迹事

本宮(御位は正一位なり)
本地は十一面観音なり。 垂迹は女神なり。 御髻と御装束は唐女の如し。

金剣宮(白山の第一の王子なり)
本地は倶利伽羅明王なり。 垂迹は男神なり。 御冠に上衣を着す。 銀弓と金箭を帯し、金作の御太刀はかせ給ふ。

三宮(白山の第三の姫宮なり)
本地は千手観音なり。 垂迹は女神なり。 御装束等は本宮の如し。

岩本宮(白山の第二の王子なり)
禅師権現なり。 本地は地蔵菩薩なり。 垂迹は僧形なり。

中宮
本地は如意輪なり。 垂迹は本宮の如し。 ただし童形か。 児宮と云々。 ただし根本は如意輪なり。 後に三所を祝ひ奉る。

佐羅宮
本地は不動明王なり。 垂迹は金剣宮の如し。 早松は普賢・文殊なり。 二童子の本地か


別宮
本地は十一面・阿弥陀・正観音の三所権現なり。 十一面は垂迹なり。 御姿本宮の如し。 阿弥陀は奇眼老翁なり。 神彩甚た閑正なり。 観音は咲を含む。 宰の官人なり。 銀弓金箭を帯す。

「加賀白山伝記之事」

加賀白山縁記

夫白山妙理大菩薩と申奉るは、本地は娑婆施無畏の主し遍在智満の菩薩にて、垂跡は伊弉冊の尊となり。 別山大行事と申奉るは、本地は南方補陀落世界の尊容入重玄門の大士にて、垂跡は菊理媛の尊と権現輔佐の神なり。 高祖太汝と申奉るは、本地は安養能化の如来超世願王の善逝なり。垂跡は大己貴の命と権現輔弼の神なり。 六所の王子と奉るは、或は申仏法護持の天主降伏魔障明王、或は一代教主の世尊六道能化将権智福円満の大聖興願如意の菩薩なり。 一万の眷属と奉るは本地は三世覚母の文殊菩薩なり。 十万の金剛童子と奉るは本地は十種願王普賢菩薩なり。 五万八千之采女と奉るは堅牢地神の垂跡なり。 上三ツの峯に三社を鎮し、下もに四社を安す。 第四剣の宮と申奉るは、本地不動明王、垂跡は地神第三の神瓊瓊杵の尊となり。 第五中宮御前と申奉るは、本地は薬師如来、垂跡は地神第四彦火火出見尊なり。 第六勝佐良の宮と申奉るは、本地は聖観音、垂跡は地神第五鸕鷀草葺不合の尊となり。 第七岩根の宮と申奉るは、本地は十一面観音、白山第三之王子高野彦の尊なり。

「越前国名蹟考」巻之九

白山[LINK]

第一本宮大御前者伊弉冊尊、本地十一面観音。 詠歌。玉垣は雲より空に顕れれ幾世経ぬらむ越のしら山。 第二は大己貴、伊弉諾尊、本尊阿弥陀如来。 詠歌。後の世もこの世もかねて唯たのめ越の三神のあらん限りを。 第三は別山大行事、素盞烏尊、又一説に天照大神の御子天忍穂耳尊、本地聖観音。 詠歌。くもはたゝ谷に埋みて久かたのつきにちかきは越のしら山。 是禅定の三社なり。 第四に金剣宮(私曰金剣今は鶴来と書く加州金沢より四里東に在り)、地神第三天瓊々杵尊、本地不動明王なり。 第五は中宮御前(私曰加州尾添村の地に在り)、地神第四彦火々出見尊、本地薬師如来なり。 第六は佐羅宮(私曰鶴来より中宮へ遷る道にあり)、地神第五鸕鷀草葺不合尊、本地毘沙門天なり。 第七は岩本宮(私曰加州別宮谷に在り)、高皇産霊尊、本地如意輪観自在。 合て七社権現也と云々