神明社(杉山社を合祀) 神奈川県川崎市麻生区細山2丁目  
現在の祭神 天照大神 <神明社>
[合祀] 倉稲魂神 <稲荷社>・天児屋根命 <春日社>・五十猛命 <杉山社>・猿田彦命
本地
杉山社不動明王

「新編武蔵風土記稿」巻之五十九
(橘樹郡之二)

金程村

杉山社

東の方によりてあり、 村の鎮守なり、 棟札に寛文六年造立のよしを記す、これ鎮座の年なるにや、 本社は丘の上にあり、 三尺四方の宮造にして覆屋あり、二間に二間半、 本地不動は木像にして長一尺ばかりの立像なり、 又稲荷を相殿とす、 社前に木の鳥居をたつ、 例祭は年々九月二十一日、 平村の神職小泉信濃司れり、 平常には村持なり

細山村

神明社

字大久保の内丘の辺なるくほき所に在、 村の鎮守なり、 鎮座の年代をしらず、 僅かなる社にて覆屋あり、西に向ふ、 社前一丁余を隔てゝ鳥居をたつ、こゝより社前までは下り坂なる故土人これを逆大門とよぶ、 尋常の大門は皆坂下より上へ登れるに、こゝのみはかへりて下る故なりと云、村持

稲荷社

これも大久保谷にあり、 村の鎮守と云、 本社は宮作にて四間に二間の覆屋あり、 祭神は女体にて木像なり、 八幡天神の二座を相殿とす、 八幡は地頭所より祀る所なりと云、 棟札の文によるに寛文五年の頃鎮座せしと見ゆ、 社前に鳥居をたつ、 例祭は九月にして、その日は時宜に従ひて定めり、 其式は平村に住せる神職小泉信濃が司るところなり、 村持

杉山社

字坂東の内丘の上にあり、 これも村の鎮守なり、 相伝ふ堀河院の御宇永長元年の勧請なりと、 本社は宮作なり、覆屋四間に三間半東向なり、 本地不動は木の立像にして長一尺五寸 村中に安ず、 これも村持
明治44年、杉山社を神明社に合祀